研究課題/領域番号 |
19K00410
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研究機関 | 南山大学 |
研究代表者 |
中田 晶子 南山大学, 外国語教育センター, 教授 (10198111)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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キーワード | ナボコフ / ウィトゲンシュタイン / G. E. ムーア / アメリカ文学 / 分析哲学 / 語られぬもの |
研究実績の概要 |
ウィトゲンシュタイン、G.E.ムーアを中心とした分析哲学の著作と関連文献の収集と内容の整理・分析を実施した。研究成果発表の場であると共にさらなる研究への足場ともなる国際シンポジウムの計画を進めた。 海外の研究協力者、ゾラン・クズマノヴィチ教授とブライアン・ボイド教授と数回にわたり、それぞれの研究発表の内容について協議し、シンポジウムの概要を決定した。年末からクズマノヴィチ教授が病気により長期入院となったため、同教授が予定していた報告の準備が困難となった。同教授の報告内容を大幅に変更することとなり、必要な調整を行った。 申請者が所属している日本ナボコフ協会の事務局、運営委員会に諮り、国際シンポジウムを日本ナボコフ協会年次大会のプログラムとして実施することを決定した。初めはZoomによる開催を計画していたが、クズマノヴィチ教授にできるだけ負担がかからない方法を取るため、オンラインで文書を提示するWeb開催での実施とした。 国内の研究協力者に関しては、分析哲学、応用哲学を専門分野とし、G. E. ムーアの業績にも詳しく、国内外の研究者との学際的な共同プロジェクトの経験が豊富な山口大学の小山虎講師にシンポジウムのコメンテーターを依頼し、助言も得ることができた。 ナボコフに関する研究業績としては、 国際シンポジウムでの申請者の報告で中心的に取り上げるナボコフの小説_Transparent Things_(1972)において、物語の背景に隠れつつ、互いに関連し合って秘かに重要なテーマ群を形成する要素の一つである固有名詞に着目し、Moore姓を含むそれらの固有名詞がいかに機能しているかを紀要論文として考察した。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
海外における資料収集や調査を予定していたが、新型コロナウイルスの蔓延のために、海外出張が困難となり、海外での作業ができなかった。国際学会での発表も予定していたが、開催が延期となり、参加ができなかった。
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今後の研究の推進方策 |
5月の国際シンポジウムに向けて、これまでの研究をまとめると共に、ボイド教授、クズマノヴィチ教授の報告の調整にも念を入れて、日本ナボコフ協会において初めての実施となるWeb開催でのシンポジウムを問題なく実施できるよう準備する。シンポジウムでの報告は、日本ナボコフ協会のジャーナルに掲載の予定である。 新型コロナウイルスの状況が許せば、海外での調査を実施し、これまでの文献調査によっては明らかにならなかったウィトゲンシュタイン、ムーアと心霊研究の接点の有無について調査を進めたい。 同様に、状況が許せば、海外で開催される国際学会で発表し、研究者との意見交換を実施したいと考えている。
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次年度使用額が生じた理由 |
海外における資料収集や調査のための旅費を予定していたが、新型コロナウイルスの蔓延が続いたために、海外出張が困難となった。また、国際学会での発表も予定していたが、学会の開催が延期となった。これらの理由により旅費の使用がなかったため、次年度使用額が発生した。 次年度に海外渡航が可能になれば、旅費を使用して、延期となっている海外での活動を実施する予定である。
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