研究課題/領域番号 |
19K00410
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研究機関 | 南山大学 |
研究代表者 |
中田 晶子 南山大学, 外国語教育センター, 教授 (10198111)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2023-03-31
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キーワード | ナボコフ / 分析哲学 / G. E. Moore / ウィトゲンシュタイン / シェイクスピア / 語られぬもの / 英米文学 |
研究実績の概要 |
過去2年にわたり進めてきた研究の成果発表の場としての国際シンポジウム"Vladimir Nabokov and Analytic Philosophy"を日本ナボコフ協会年次大会のプログラムとして、オンラインで文書を提示する方式により、5月15日から6月20日まで開催した。海外の研究協力者、ブライアン・ボイド教授がナボコフとカール・ポパーについて、ゾラン・クズマノヴィチ教授がナボコフとグレゴリー・カリーについて、報告を行った。報告者は、ナボコフとウィトゲンシュタイン及びG. E. ムーアについて報告し、司会を担当した。国内の研究協力者、小山虎氏がコメンテーターとして、各報告に対してコメントし、各報告者がコメントに対する応答を行った。さらに報告者同士でコメントと応答を行い、その後参加者からの質疑と応答を行った。すべてを文書提示により実施し、十分な時間をかけての議論が続いたため、予想を大幅に上回る充実度となり、初めに予定されていた2週間の開催を延長し、約5週間のシンポジウムとなった。アップロードしたファイルは40を超え、口頭での開催に換算すると休憩抜きで11時間以上語り続けたことになる。 デジタル版のプロシーディングスには、シンポジウムのすべてを収録し、日本ナボコフ協会会長沼野充義氏のForewordと報告者のAcknowledgmentsを加えた。ナボコフと分析哲学をテーマとするシンポジウムは、これまでに例のないものであったが、開催方法や開催期間、プロシーディングスの収録内容においても世界初と言えるプロジェクトとなった。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
これまで進めてきた研究の成果発表の場としての国際シンポジウム"Vladimir Nabokov and Analytic Philosophy"を5月から6月にかけての5週間にわたり、オンラインで文書を提示する方式で開催し、130ページを超えるデジタル版プロシーディングスを作成することができた。シンポジウムでは、すべてを文書提示により実施し、十分な時間をかけての議論が続いたため、予想を大幅に上回る充実度となった。プロシーディングスには、報告者のペーパーに加えて、コメント、議論、質疑応答のすべてを収録した。テーマ、開催方法、開催期間、プロシーディングスの収録内容のすべてにおいて世界初と言えるプロジェクトとなった。
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今後の研究の推進方策 |
コロナ禍のために開催が複数回にわたり開催延期となっていたナボコフの国際学会に遠隔で参加し、シンポジウムでの発表内容をさらに発展させた研究発表を行い、より多くの海外研究者と意見交換を実施する予定である。 可能であれば、ウィトゲンシュタイン、G. E. ムーアらケンブリッジ大学の分析哲学者とSociety of Psychical Researchとの関連の調査も実施したいと考えている。
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次年度使用額が生じた理由 |
国際シンポジウムのプロシーディングスの完成が予定より遅れたため、制作を担当した印刷会社への支払いが次年度となった。 残額は、2022年度に延期された国際学会への参加費用や発表する論文執筆のための費用に充当する予定である。 可能であれば、ウィトゲンシュタインやG. E. ムーアらケンブリッジ大学の分析哲学者とSociety of Psychical Researchとの関連に関する調査に充てることを考えている。
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