研究課題/領域番号 |
19K00419
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研究機関 | 山口大学 |
研究代表者 |
松谷 緑 山口大学, 教育学部, 教授 (70259737)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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キーワード | 英国小説 / 近代英語 / 語彙 / 英語史 / 認知 / 意味変化 |
研究実績の概要 |
本研究は、18世紀から19世紀の英国小説にみる英語の語彙に注目し、認知言語学的視点をもって、語の意味と使用を分析するものである。時代の文化や社会的変動の中にあって人はどのように自己を表現するのかを問い、時代の語彙体系の一端を明らかにする。英文学と英語学の両領域の融合により、言語に密着した文学論・詳細な言語記述に基づいた新しい英語文体論の構築を目指す。 今年度参加した国際認知言語学会や日本英語学会では、メタファーや大量且つ詳細な言語データを用いて言語現象を考察する多様なアプローチに接し、特に量的考察と質的考察について検討する機会を得たり、「ことばは現実をどう捉えるか」といったシンポジウムや英語の関係形容詞や混合動名詞、通時的観点から形容詞と動詞を対比させた研究発表において、語彙に関して多くの示唆を得、非常に有意義であった。また、Jane Austen研究会では英文学や英語学を専門とする研究者達とともに協議を重ねている。 Jane Austenの小説『Emma』について、すでに出版された第2巻に続いて、第3巻のテクストの注釈と索引の作業が進行中である。出版については2021年度の刊行を目指して、共同執筆の研究者たちと共同で作業を進めている。テクストの注釈の記載内容については、一通りの検討を済ませたところである。語彙の記述、体系や発達の諸相については、有意義な成果を得られつつある。一方で、この小説の特徴の一つでもある話法の説明についてはまだ課題を残しており、どの程度の記述が適切か、想定される読者や、言語学的・文学的観点から協議し、内容を精査しているところである。また索引の作業についても進行中である。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
4: 遅れている
理由
大学の業務の関係で研究時間が充分に確保できず、現在手掛けている索引の作業について当該年度に完成させる計画であったが、終えられなかった。週末も就職支援関連のセミナー等で、予定していた学会に参加できなかった。
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今後の研究の推進方策 |
引き続き、英国小説にみる英語の語彙に注目し、認知言語学的観点を取り入れながら、語の意味と使用について分析を進める。共同で研究している研究者たちとも連携し、まずは、遅れている『Emma』の注釈と索引の作業を鋭意進める。英文学と英語学の両領域の融合により、言語に密着した文学論・詳細な言語記述に基づいた新しい英語文体論の構築を目指す。
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次年度使用額が生じた理由 |
当該年度に予定していた学会に一部参加できなかったため、旅費に未使用が生じた。また、研究の進捗状況においてデータ処理が計画より遅れ、謝金等未使用が生じた。 次年度使用計画においては、学会参加のための旅費に使用する予定である。
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