研究課題/領域番号 |
19K00421
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研究機関 | 琉球大学 |
研究代表者 |
加瀬 保子 琉球大学, 国際地域創造学部, 准教授 (70724722)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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キーワード | 論文執筆 / 学会発表 / 論文精読 / ネットワーキング |
研究実績の概要 |
初年度は7月末までフルブライト研究員として滞在していたミネソタ大学の研究リソースを用いることができた。Disability Studiesの分野やトラウマ研究分野の研究者と交流できたこともあり、研究の幅を広げることができた。滞在中Memory, Trauma, and Human Rights at the Crossroads of Art and Scienceというプロジェクトグループの勉強会に参加し、このグループが主催する学会において発表をした。またこの学会に出席していた、ミネソタ大学の脳科学者に、医学分野のトラウマ研究の文献を選んでもらったり、精読する際のサポートを受けることができた。また、2021年1月にカナダのトロントで開かれるModern Language Associationの年次大会において発表が決定してる"Neuroscience and Trauma Studies in the Humanities"という論文のドラフトをこの研究者に読んでもらい、アドバイスを受けることができた。他の活動としては、PTSDと統合失調症が関わることが多いため、統合失調症についてもリサーチし、2020年1月にサンフランシスコで開かれたModern Language Associationの年次大会においてDisability Justice: A Conversation between Critical Disability Studies and Health Humanities Perspectives”というラウンドテーブルにて“Schizophrenia Doesn’t Define Me.”:The Life with Cognitive Disability in Everything Here Is Beautiful by Mira T. Lee”という発表を行った。またこの発表を発展させた論文はMLAより出版される_The Future of Neurodiversity_という書籍の1章として出版される予定であり、2020年3月にエディターに最初のドラフトを提出した。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
フルブライト研修中、研究に集中できる時間もでき、自分の研究分野に近い研究を行っている研究者たちと交流する機会も持てたおかげで、研究のインスピレーションを得ることができた。また、ミネソタ大学のメディカルスクールの教授から医学分野の知識を得たり、アドバイスを受けることるもできたので、研究が順調に進んだ。また、MLAにおいてもMedical HumanitiesやDisability Studiesを専門とする研究者たちと交流ができたことで、研究の幅を広めることができた。
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今後の研究の推進方策 |
今後は、医学分野のトラウマ研究論文を読み進めるとともに、脳についての知識をさらに深めたい。ミネソタ大学の教授の他に、沖縄県立中部病院の研修医にもサポートを依頼している。また人文系でも脳科学に興味を持ち研究に取り入れている研究者は少数ではあるが存在するので、その研究者たちの論文や著作を読んで行く。脳の情動研究と人文系のaffect theoryの関わりに特に重点を置いて論文精読を進めて行く予定である。
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次年度使用額が生じた理由 |
2月、3月中、ミネソタ大学の脳科学者から研究アドバイスを数回受けること予定し、そのために謝金を支払う予定であったが、お互いのスケジュールが合わなかった。結果、アドバイスを受ける回数が少なくなり、謝金の支払いが予定額を下回った。次年度は、アドバイスを受ける機会を増やし、謝金として使用する。
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