研究課題/領域番号 |
19K00424
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研究機関 | 神戸市外国語大学 |
研究代表者 |
難波江 仁美 神戸市外国語大学, 外国語学部, 教授 (30244677)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2023-03-31
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キーワード | Henry James / ヘンリー・ジェイムズ / 翻訳 / Translation / American Literature / Modernism / 19世紀 / William James |
研究実績の概要 |
2020年度はCovid-19感染拡大により、様々な側面で活動を制御する必要がでてしまった。特に予定していた国際学会への参加が叶わず、海外の研究者との直接の交流がはたせなかったのは残念だった。しかしながら、インターネットの普及、また様々なオンライン会議システムが開発されたことにより、国際学会での発表や、研究発表やシンポジウムへの参加、聴講が叶ったのは幸いであった。その一つが、春に企画され延期となったアメリカの19世紀文学学会"C19"の企画「Dissent」のオンライン開催である。ヘンリー・ジェイムズ、その兄ウィリアム・ジェイムズそして妹アリス・ジェイムズの研究者Jane Thrailkill氏が企画したパネル ”Health and Embodied Mental Life:Peparative Readings"の招待発表者の一人として、"Puppeteering Hands: Henry's Playful Dumb Shoe in _The Portrait of a Lady_"を発表した。対面でのディスカッションのような直接的な意見交換とはならないものの、コメンテイターの発言に触発され活発な討議をすることができた。
2022年に京都で予定されているヘンリー・ジェイムズ国際学会の準備もコロナ禍の中ではあったが、オンライン会議などをつかってすすめることができた。その一つとして、これまで研究会として10年続いてきた「ヘンリー・ジェイムズ研究会」を学会化する動きがすすみ、2021年度4月に発足することになったのは大きな成果である。当該研究者は当学会の副会長として務めることになった。これまで海外での研究発表が論文集に採択され2020-2021年度に3件出版された。
今年度はジェイムズ関係の書籍をそろえることにも専念した。今後の研究にいかしていく所存である。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
本研究の目的は、国内外でのヘンリー・ジェイムズ研究の動向をアップデートし、国内外のパイプ役として研究発表や国際学会参加、および開催を目指すものであるが、2020年度はCovid-19の感染拡大により、海外との交流は皆無となった。予定した国際的な場での交流や資料収集等ができなくなったことから、本研究の進捗状況はやや遅れ気味と判断せざるを得ない。
しかしながらオンラインでの学会や研究会を開催することができ、制限のある中にもかかわらず研究者通しの交流をすることはできた。対面を含む会議等は延期せざるを得ず、すべてにおいて減速気味ではあるが、2021年初秋のジェイムズ研究会および2022年の国際学会の成功にむけて準備を進めたい。
またここ数年国際学会での発表をもとにした論考が論文集やヘンリー・ジェイムズ協会ジャーナルに採択され、2020-2021年度に出版された。
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今後の研究の推進方策 |
2020年度はCovid19感染拡大により研究会や学会関係委員会がオンラインシステムに移行したが、そのおかげもあり、ヘンリー・ジェイムズ協会の学会化や、2021年度の学会開催の要項などもまとめることができた。今年度初秋のヘンリー・ジェイムズ協会学会には、海外の研究者を招聘して講演会を企画するなど、国際的な交流の場が実現できるように企画していきたい。
国内におけるジェイムズ研究者間での研究会や意見交換などの場を提案し、活動を活性化する。 2022年度の国際学会にむけて、論文集を作成するための準備を進める。
今年度は国際ジェイムズ協会のVice President、また来年はPresidentを務めることになっている。国内外の橋渡し役として益となる企画を実行に移していく。
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次年度使用額が生じた理由 |
2020年度はCovid-19のグローバルな感染拡大により、海外はもとより国内での学会および資料収集出張が叶わなかった。リモート状況での研究に必要な書籍を購入した。
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