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2020 年度 実施状況報告書

長い18世紀における原子論の影響による主体・共同体言説の多様化に関する学際的研究

研究課題

研究課題/領域番号 19K00441
研究機関福島大学

研究代表者

川田 潤  福島大学, 人間発達文化学類, 教授 (70323186)

研究期間 (年度) 2019-04-01 – 2022-03-31
キーワード原子論 / ユートピア / 科学 / 主体
研究実績の概要

まず、前年度に予定していたが遅れていた、原子論に関する近年の研究成果(美学的・認識論的受容の再検討等)をユートピア言説と結びつけるための検討と、科学言説のテクスト群の収集・分類・分析を行った。その結果、とりわけ、原子論の翻訳に関する美学的な関心が近代的な国家の成立と密接に結びついていることを確認できた。また、科学言説において、その専門化と同時に大衆化が進んでいることも確認できた。
このような基礎的研究を踏まえた上で、前年までの研究に基づき、「長い18世紀」後半に関し、原子論の観点からユートピア言説を検討した。具体的には、まず、-1)「長い18世紀」のユートピア言説を、具体的テクスト分析を通じ、その解釈のための理論基盤を整序し、主要な要素を分類・整理し、とりわけ、スモレットの『原子の冒険』を中心に研究を進めた。-2) 原子論の観点から共同体言説の詳細な分析を行い、上記 -1)の分析と結びつけ、その結果、科学立国の具体化が進んでいた状況を確認した。-3) 原子論の観点から主体言説の詳細な分析を行い、上記 -1)の分析と結びつける、という作業を行い、主体の不安定化が表面化すると同時に、その不安定な主体をどのように再度共同体に結びつけるかが検討されていたことを確認した。以上の3つの観点から、原子論が浸透する時代におけるユートピア言説の変容・多様化の過程を総合的に検討し、従来、等閑視されてきた原子論の重要性を確認した。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

3: やや遅れている

理由

新型コロナの流行に伴い、国内外での資料調査に制限がかかる/不可能であったことと、実際に集まっての研究会・意見交換会を開催することができなかったため。

今後の研究の推進方策

本年度も新型コロナの流行に伴い通常の資料調査や研究会を開くことはできないが、遠隔での意見交換や資料の調査・蒐集の方法を活用して、研究をすすめる予定である。

次年度使用額が生じた理由

新型コロナの流行に伴い国内外の資料蒐集および研究集会が困難であったため。

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公開日: 2021-12-27  

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