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2022 年度 研究成果報告書

20世紀後半のアメリカ文学・文化におけるトラウマとしての奴隷制度の表象

研究課題

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研究課題/領域番号 19K00460
研究種目

基盤研究(C)

配分区分基金
応募区分一般
審査区分 小区分02030:英文学および英語圏文学関連
研究機関早稲田大学

研究代表者

和氣 一成  早稲田大学, 教育・総合科学学術院, 准教授 (10614969)

研究期間 (年度) 2019-04-01 – 2023-03-31
キーワードTrauma / Slave / Hauntology / Postmemory / Memory studies / Slave narrative / Afrofuturism / Intergenerational Trauma
研究成果の概要

August Wilsonの作品の分析では、憑在する亡霊がいかに奴隷制度の歴史・記憶を表象しているか、黒人主体が自分たちの祖先の奴隷としての過去にどのように対峙し、どのような歴史を記憶し忘却することを選択するのかという点を検証した。
Haile GerimaのSankofa (1993)研究では、“dark tourism”に注目し主人公が奴隷としての祖先の記憶/歴史の断片に触れることにより、自らの出自について確固たる歴史意識を持つ女性へと変貌を遂げる点を検証した。
その他の研究では、映画を取り上げ、奴隷制の歴史的、社会的文脈との関連性を明らかにし、トラウマとしての奴隷制度の問題を検証した。

自由記述の分野

米文学 米文化(映画) 批評理論

研究成果の学術的意義や社会的意義

本研究では20世紀後半のアメリカ文学・映画のテキストを対象として奴隷制度の記憶と歴史、その表象の問題を「トラウマ理論」を用いて探究した。アメリカ国家が抱えるトラウマとしての奴隷制度の存在を明らかにしていくことと、奴隷制度の記憶が時に歪曲されて記憶され、時には完全に封印され忘却されてしまい、時には21世紀を生きる我々にも無意識的なレベルにおいて、その強烈な影響を顕在化させていくことは重要である。これらは、たとえば原爆投下や、震災のトラウマの影にいまだに苦しんでいる今日の日本社会が直面し、問い続けていかねばならない必要不可欠な問題であると考え、ここに本研究成果の学術的意義と社会的意義がある。

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公開日: 2024-01-30  

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