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2023 年度 研究成果報告書

State-of-the-Nation Playsと1970年代英国演劇

研究課題

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研究課題/領域番号 19K00463
研究種目

基盤研究(C)

配分区分基金
応募区分一般
審査区分 小区分02030:英文学および英語圏文学関連
研究機関同志社大学

研究代表者

川島 健  同志社大学, 文学部, 教授 (60409729)

研究期間 (年度) 2019-04-01 – 2024-03-31
キーワードイギリス / 演劇 / 1970年代 / State-of-the-Nation Play / コンセンサス政治 / ジェンダー / アイデンティティ・ポリティックス
研究成果の概要

本研究は1970年代のイギリスで制作されたState-of-the-Nation Play(以下SNPと略)と通称される劇作を対象としている。この概念が用いられた文脈を再構築し、これらの劇作が訴えた問題を検討した。これら劇作と、1950年代以降の「怒れる若者たち」の作品との差異を明らかにして、SNPは社会主義への幻滅が背景にあることが分かった。同時期に興隆するフェミニズム演劇や同性愛者たちのマイノリティ演劇は、自分たちの権利の拡大に注力していく。それにたいしてSNPは、様々な権利と利権を調整するためのプラットフォームの構築を目指し、歴史的な視座を求める特徴を有していることが明らかになった。

自由記述の分野

イギリス文学

研究成果の学術的意義や社会的意義

SNPは、社会主義の言説の行き詰まりを背景にしている。それは、経済的な繁栄がもはや望めない時代に、新たな連帯の構築と公共圏の創出を目指したものであった。SNPは歴史の再構築に向かう。脱工業化社会のビジョンを歴史的遡行の果てにみいだそうという企図がそこには隠れている。SNPの研究は、日本はおろかイギリスでもまだ少ない。2020年代は、コミュニティが細分化され、批評がクラスター化してしまった。異なる意見を共存させ議論させるようなプラットフォームの構築が望まれる現状に、SNPをめぐる洞察はヒントを与えてくれる。

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公開日: 2025-01-30  

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