研究課題/領域番号 |
19K00474
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分02040:ヨーロッパ文学関連
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研究機関 | 神戸大学 |
研究代表者 |
松田 浩則 神戸大学, 人文学研究科, 名誉教授 (00219445)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2024-03-31
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キーワード | エロス / 手紙 / ポール・ヴァレリー / カトリーヌ・ポッジ / ルネ・ヴォーティエ / ジェノヴァの危機 / ロヴィラ夫人 |
研究成果の概要 |
本研究はコロナウィルスの蔓延の影響もあり、本来3年の研究期間が5年に延長された。この間、ロヴィラ夫人、カトリーヌ・ポッジ、ルネ・ヴォーティエに宛てられたヴァレリーの書簡や彼の作品や日記を丹念に読み直すとともに、パリのフランス国立図書館で資料の確認を行った。こうした研究の結果、これまでの研究とはかなり異なる成果を論文の形で発表することができた。とりわけポッジとの恋愛がそれよりも30年前のロヴィラ夫人との恋愛を再解釈する契機となっただけでなく、ロヴィラ夫人との愛を神話化する方向へとヴァレリーを向かわせたことを明らかにすることができた。
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自由記述の分野 |
フランス文学
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
どのような作家にもエロスや恋愛を表現するうえでの個別的で特殊な表現方法があるものだが、ヴァレリーの場合、単にその文面に抒情的な比喩表現が頻出するというのではなく、フランス語という言語の表現可能性の限界を問うものとなっている。いわば言語という社会システムと個人のエロスの相克の場面となる。この意味で、公表や発表を目的とされていなかった内的な書き物の研究を通して、作家が言語とどのような関係を結びうるのかを考える上で学術的にも社会的にも大きな還元が期待される研究になっていると思われる。
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