本研究によりパン・アフリカニズムと国際共産主義運動との関係を明らかにするとともに日本語でのフランス語圏文学研究におけるネグリチュード運動をめぐる定説を刷新した。本研究期間中にBLM運動の世界的波及によりレイシズムの問題が日本社会でも話題とされるようになったが、本研究はそうしたレイシズムへの対抗運動の歴史の一部に日本語で知ることができるようにしたことに研究成果の社会的意義がある。アラン・マバンク『アフリカ文学講義』の翻訳、オレリア・ミシェル『黒人と白人の世界史』の解説などは本研究の社会的還元として位置付けられる。
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