研究課題/領域番号 |
19K00493
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研究機関 | 東京大学 |
研究代表者 |
阿部 賢一 東京大学, 大学院人文社会系研究科(文学部), 准教授 (90376814)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2023-03-31
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キーワード | 文学史 / チェコ文学 / 翻訳研究 / ボヘミア文学 |
研究実績の概要 |
新型コロナウイルス感染症拡大予防のため、2020年夏に予定されていたチェコ文学国際会議は延期され、またチェコでの現地調査も不可能であったため、本年度予定していた現地での資料の調査は十分に行うことができず、研究活動は大幅に制限されることとなった。そのため、国内にある資料を活用する形で、限定的ながらも研究を柔軟に進めることとし、以下の研究報告を行った。
2021年3月17日、京都大学にて、科研基盤研究(A)「トランスナショナル時代の人間と「祖国」の関係性をめぐる人文学的、領域横断的研究」(代表:岡真理)との共催のワークショップにて、「わが祖国はいずこに チェコにおけるロマ作家の作品から」と題して報告を行った。また2021年3月27日、日本スラヴ学研究会研究発表会(オンライン)にて、「ヨゼフ・ユングマンの翻訳『アタラ』の社会的機能について」と題して報告を行った。前者では、十分に検討されていないチェコ文学史におけるロマ作家の位置、後者では、19世紀における翻訳の位相についてヨゼフ・ユングマンによるシャトーブリアン『アタラ』の翻訳を取り上げ、文学史的観点から考察を行った。いずれもこれらの報告をもとに、論文を執筆する予定である。
また研究成果としては、昨年度招聘したヤクプ・チェシュカ氏の講演「複数形の作家から、フラバルの詩的世界の想像される重点へ」を訳出し、紀要『れにくさ』(2021年、11号)で発表した。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
現地での資料調査が不可能であったため、この点においては遅れが見られる。情勢が好転次第、現地調査を行い、遅れを取り戻したい。
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今後の研究の推進方策 |
基本的には、現地調査による資料の読解を第一に進めたいが、渡航が困難な場合は、国内資料、あるいはデジタル化された資料を基にしたコーパスの変更も視野に入れたい。
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次年度使用額が生じた理由 |
2020年度に予定していた国外出張が新型コロナウイルス感染症により実現できなかったため。
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