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2024 年度 実績報告書

国家変容と国民文学運動に関する事例研究:近代ハンガリーの文学団体とカノン形成

研究課題

研究課題/領域番号 19K00498
研究機関大阪大学

研究代表者

岡本 真理  大阪大学, 大学院人文学研究科(外国学専攻、日本学専攻), 教授 (10283839)

研究期間 (年度) 2019-04-01 – 2025-03-31
キーワードハンガリー文学 / 近代ハンガリー / 近代ナショナリズム
研究実績の概要

本研究課題の最終年度である今年は、まずこれまでの近代ハンガリー文学のカノン化の諸相を振り返った。19世紀初頭からハンガリー文学の活動の諸相として、これまでハンガリー語による新聞や雑誌メディアの発達とそこにおける文学作品の展開、劇場の整備とハンガリー語戯曲作品と外国戯曲文学の翻訳の発達、1848年革命と関連する戯曲作品、19世紀なかばから覚醒したハンガリー民謡の発掘と記録活動などに焦点を当てた。これらさまざまな文学活動が、ハンガリーナショナリズムが覚醒する同じ時期に活発化し、市民社会の変化とともに受け入られていったことが明らかになった。その上で、「正統な文学史」という社会のメインストリームには現れないところで、女性たちがハンガリー語による文筆活動を始めているのも、やはり19世紀なかばであった。本研究では、しばしば「最初のハンガリー児童文学」とも表現されるベゼレーディ・アマーリアの『フローリの本』および自らの家族を重ね合わせた『フェルデシ家の夕べ』という2作品にあらわれる彼女の思想を分析した。そこにはハンガリー語による保育や子女教育の必要性、教育者養成機関の必要性が語られており、国民形成期におけるハンガリー国民の政治的権利要求とハンガリー語による民衆のための保育や教育、そして女性の権利追求が相互に関連しながら強まっていったことが明らかとなった。以上について、「近代ハンガリーの児童文学と女性をめぐる一考察:『フローリの本』とその時代」(『ハンガリー研究』第3号, 37-51)にまとめた。
また、ハンガリー文学史の一環として、20世紀のユダヤ人文学とホロコーストについて次の中にまとめた。「ハンガリーのホロコーストと文学」(『EU百科事典』羽場久美子・田中素香・中西優美子編,丸善出版 298-299)

  • 研究成果

    (2件)

すべて 2025 2024

すべて 雑誌論文 (1件) 図書 (1件)

  • [雑誌論文] 近代ハンガリーの児童文学と女性をめぐる一考察 : 『フローリの本』とその時代2025

    • 著者名/発表者名
      岡本 真理
    • 雑誌名

      ハンガリー研究

      巻: 3 ページ: 37~51

    • DOI

      10.18910/100414

  • [図書] 『EU百科事典』2024

    • 著者名/発表者名
      羽場久美子・田中素香・中西優美子編
    • 総ページ数
      670
    • 出版者
      丸善出版
    • ISBN
      9784621310250

URL: 

公開日: 2025-12-26  

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