研究課題/領域番号 |
19K00503
|
研究機関 | 大妻女子大学 |
研究代表者 |
渡邉 顕彦 大妻女子大学, 比較文化学部, 教授 (60612025)
|
研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2022-03-31
|
キーワード | 近世ラテン語 / キリシタン研究 / イエズス会演劇 / 西洋古典学 |
研究実績の概要 |
2020年度は9月後半にオーストリアとドイツ(インスブルック、ミュンヘン、コブレンツ、ゲッティンゲン)にて史料調査と現地研究者との打ち合わせをし、大きな成果があった。特にミュンヘンとコブレンツでそれぞれ1665年と1625年に上演されたラテン語日本関係劇の手稿現物の詳細な調査は、現在準備中の成果物(単著書)の完成のため必要不可欠であった。1625年のコブレンツ劇についてはそれが扱っている日本人殉教者やほか登場人物を特定し、またこの劇の手稿が複数の、一部重複するグループに分類できることや、近代それに刻印されたフォリオ番号が実際の内容に沿っていないことを現地文書館における調査の結果確認できた。インスブルックでは近世ラテン語文献研究者グループと交流し、最新の研究動向について新たな知見を得た。またゲッティンゲンでは近世イエズス会劇研究の第一人者と長時間打ち合わせをし、ミュンヘンおよびコブレンツ劇の内容について多数の貴重な意見をいただいた。 また同年度の研究活動としてほかにはBrillから出版予定の共編著書の推敲と、後に中国語訳で発表予定の羅日辞典の歴史についての日本語原稿作成があげられる。ただ海外で予定していた数件の国際学会発表は全て新型コロナウィルス対策のため中止となってしまったことが残念である。 ほか同年度は日本と、8月から2月にかけて在外研究を行っていたオーストリア・ウィーンで多数の研究図書を閲覧し、研究課題の総合的理解を深めた。
|
現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
コブレンツおよびミュンヘン劇の調査はほぼ予定通りに進んでいるが、2020年度、国際学会における発表やそれに付随する学術交流は新型コロナウィルス流行のため全て中止あるいは延期になった。
|
今後の研究の推進方策 |
コブレンツおよびミュンヘン劇に関する単著書原稿を9月末までに完成させる。またBrillから出版予定の共編著書の最終的な推敲を行う。2021年8月京都で行われる予定であった国際アジア研究会議(ICAS)はオンラインで継続されるのでこれに参加・発表する。また別にベルギー・ルーヴェンで2021年8月に行われる予定であった国際新ラテン語学会(IANLS)大会は次年度に延期されたので、本研究課題の期間を可能であれば2022年度まで延長し、同大会で最終的な課題成果に関する発表と学術交流を行いたい。
|
次年度使用額が生じた理由 |
新型コロナウィルス流行のため、参加・発表を予定していたポルトガルと米国における国際学会が中止および延期となったため。
|