研究課題/領域番号 |
19K00503
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研究機関 | 大妻女子大学 |
研究代表者 |
渡邉 顕彦 大妻女子大学, 比較文化学部, 教授 (60612025)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2023-03-31
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キーワード | 近世ラテン語 / キリシタン研究 / イエズス会演劇 / 西洋古典学 |
研究実績の概要 |
2021年度は、2020年度にドイツやオーストリアで収集した研究史料(主に1625年のコブレンツおよび1665年のミュンヘン上演ラテン語劇の脚本手稿に関連する一次・二次史料)の整備とそれに基づく英語著書執筆にあてた。この著書は2022年中に出版の予定である。同著書は同2劇のラテン語原文と英訳を中心とし、近世日本カトリック宣教史、日本を扱ったラテン語イエズス会演劇、同2劇が脚色した日本で起こった出来事に関する日本側およびヨーロッパ側の記録、同2劇にみられるラテン語の文体や古典文学伝統上の位置に関する説明、および劇の内容について史学や文学、言語学、文献学的に詳細な注釈を付している。これら2点の劇は学界初見であり、その詳細な紹介は国際的な学術的貢献とみなされることが期待できる。 ほか本年度8月には、京都精華大学を中心として開催された第12回アジア研究国際大会(ICAS 12)にて同2劇に関するオンライン発表を英語で行い、研究成果を学界に還元し学術交流を行った。 ただ収束にきざしが見えないコロナ禍のため、リスボンで昨年度より延期して行われる予定で参加発表することになっていた学会Engaging the World: The Jesuits and their Presence in Global Historyは中止となり、また本年度行われる予定であり同じく参加発表することになっていた国際新ラテン語学会のルーヴェン総会も2022年度に延期が決定された。このため、本研究も2022年度までの延長を申請し、幸い認められた。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
本研究の主要成果と考えている英語著書の執筆は順調に進み、本年度中に原稿を完成させ提出することが出来た(現在、第一校の送付待ち)。ただ参加発表を予定していた一部学会はコロナ禍のため中止や2022年度への延期が決定している。
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今後の研究の推進方策 |
本研究の期間が2022年度まで延長されたので、出版社とのやりとりを通した著書原稿の最終準備を進め、同時に本年度から延期が決定されたルーヴェン学会やほかケンタッキーやローマにおける学会に参加し、研究成果を学界に引き続き還元し、学術交流を続行する予定である。
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次年度使用額が生じた理由 |
リスボン学会がコロナ禍により中止、ルーヴェン学会がコロナ禍により次年度延期になったため。
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