最終年度に行った研究は、バロック期から啓蒙主義期にかけての普遍自然史の展開についてであり、具体的には、ドレスデンのツヴィンガー宮殿における自然史および芸術品の展示方法を検討し、これがクンスト・カンマーの発展形態である様を、現地での実地調査を行って調査研究した。この研究成果の一部は、本研究者による単著『ドイツ文化読本』(丸善出版2024年)の中で一般に公表することができた。 研究期間全体を通じては、普遍史と自然史との接合および分離展開の様相を明らかにすることができ、かつその研究成果を本課題の研究期間内に、本研究者による単著『<世界知>の劇場』(ぷねうま舎2021年)によって公表することができたのが最大の成果である。「普遍自然史」は、ドイツ語圏において、「世界知Weltweisheit」となるという結論を導き出すことができた。
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