本研究は、富山大学附属図書館所蔵小泉八雲旧蔵書(以下ヘルン文庫)の中でもフランス語で書かれた本(洋書1350冊のうちの719冊)を中心に書き込み調査を行い、それらの書き込みがハーンの著作にどのように反映されているかについて考察を行ったものである。本研究は本来、米国ヴァージニア大学に収蔵されているハーンの取材メモを中心に、マルティニークの民間伝承についてヘルン文庫に収蔵されている蔵書およびその書き込み調査を行う予定であったが、コロナ禍により海外渡航が不可能となった2年間にわたって、これまでに収集した資料とヘルン文庫の収蔵書の書き込み調査を中心とした研究に研究方針を変更せざるを得なかった。
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