研究課題/領域番号 |
19K00516
|
研究機関 | 京都大学 |
研究代表者 |
小島 基洋 京都大学, 人間・環境学研究科, 准教授 (90438333)
|
研究分担者 |
山崎 眞紀子 日本大学, スポーツ科学部, 教授 (00364208)
高橋 龍夫 専修大学, 文学部, 教授 (10284340)
横道 誠 京都府立大学, 文学部, 准教授 (60516144)
|
研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2022-03-31
|
キーワード | 村上春樹 / 世界文学 / 物語論 |
研究実績の概要 |
2年目(2020年度)の活動の中心は、折からのコロ禍で、米国プリンストン大学図書館への来訪計画が頓挫した結果、昨年に引き続き、個人の設定したテーマを深化させていくこととなった。小島は村上の多言語性について、高橋はその歴史性について、山﨑は戦後文学との関わりについて、また横道はその物語性について、考察を深めた。 一方、当研究グループが主催する「村上春樹研究フォーラム」では、年度途中より、ZOOMを用いて、積極的に共同研究の場を設けるべく、大きく方針転換をおこなった。9月18(金)におこなわれた《「Murakami Review」第1号合評会》では、昨年、当研究グループが中心となって発刊した雑誌の執筆者全員が一堂に会し、多くの出席者と共に論文について議論をおこない、その学術的意義について検討した。また、12月5日(土)には、《第4回村上春樹研究セミナー》を開催し、日本文学の専門家であると同時に、物語論に造詣の深い内田康氏(元・台湾・淡江大学教授)を招聘して、「村上春樹の神話と物語」と題する講演をしていただいた。その後、司会の横道を中心に、村上と物語論の接点について、専門的な議論が交わされ、村上春樹の物語的な参照枠が確認された。 また、同月には論文3本、自著紹介3本を含む「Murakami Review」第2号を発刊し、村上研究者との協力関係を築きながら、その文学世界への理解を深めていった。
|
現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
本来、夏期にメンバー全員で米国プリンストン大学に滞在し、『ねじまき鳥クロニクル』執筆時の村上春樹の参照文献を調査し、その成果をもとにセミナー等開催する予定であったが、折からのコロナで計画が頓挫した。
|
今後の研究の推進方策 |
ZOOMの普及により、遠隔地を結ぶ研究会などが容易に開催できることにもなり、今後の研究活動が大きく進展することが期待されている。
|
次年度使用額が生じた理由 |
コロナ禍により、渡米しての研究調査が中止となったことにより、大幅に研究費が繰り越されることとなった。ZOOMによる研究会開催が容易になったことからも、使用方法の再検討がなされている。
|