研究課題/領域番号 |
19K00519
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研究機関 | 大阪大学 |
研究代表者 |
長崎 広子 大阪大学, 言語文化研究科(言語社会専攻、日本語・日本文化専攻), 准教授 (70362738)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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キーワード | ヒンディー語 / 文学 / ラージャスターニー文学 |
研究実績の概要 |
古ヒンディー文学のテキスト解釈を統一した形式でまとめ、地域差と文学様式の異なる15-6世紀のヒンディー文学を共時的に比較考察しその全体像を明らかにする目的で、修辞用法の重層的意味解釈をグロス付与と文学的解説を加えてテキストの作成を継続した。だが、オックスフォード大学で予定されていたテキスト講読と統一形式による電子テキストの作成を行うための研究会(Imre Bangha, Jaroslav Strnad, Alexandra Turek, 長崎広子参加予定)は、新型コロナ感染症拡大の影響で延期せざるをえなくなり、参加者すべての出張のキャンセルに追われた。また夏に予定されていた大阪大学での研究会も同様の理由で実現しなかった。一方で、オックスフォード大学のImre Banghaはオンラインの古ヒンディー文学研究会を積極的に開催し、時差とオンラインによる技術的な不備はあるものの、これまで参加できなかったインドの若手研究者が多数加わり、多数のテキスト講読が行われた。本研究代表者も古ヒンディーのテキスト講読と討論に参加した。 Alexandra Turekはラージャスターニのディンガラ文学のKrisana-Rukamani-ri veli Rathaurra Pthviraja-ri kahi の数詩節を上記に作成した統一様式に落とし込んだ電子テキストを作成した。長崎は古ヒンディー韻律の写本からテキストを校訂し、詩論書の例文を本研究用にグロス付与と解説を英文で付す作業を行った。 Pegah Shahbaz博士によるオンライン講演会(ペルシャ文学の伝統を受け継ぐ古パンジャービー文学『ヒールとランジャー』の語りの文化とプロットの改編について)を大阪大学でハイブリッドで開催した。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
4: 遅れている
理由
新型コロナ感染症の拡大によって、ヨーロッパの研究者と一堂に会して行う予定であった研究会と研究のための作業が延期になった。海外の研究者がこの状況での本務校での対応に追われ、本研究を本格的に進めるための統一フォーマットによるサンプルテキストの作成が進んでいない。
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今後の研究の推進方策 |
新型コロナ感染症の状況が改善した時点で、延期されている研究会を速やかに行う。本研究は今年度が最終年度であるが、コロナの影響で研究が進んでいないため、1年間期間を延長する予定である。2022年の夏に古ヒンディー文学の国際学会を研究代表者が日本で開催する予定であり、その機会に本研究による成果発表をめざす。 作業が遅れている部分については、日本在住の関連分野の研究者にも協力を仰ぎ、対面の国際研究会が開催されるときに備えて、グロス付与つきのサンプルテキストの作成を進める。
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次年度使用額が生じた理由 |
新型コロナ感染症の拡大により、海外の研究者とともに行う予定の研究会が開催できなかったため。状況が改善次第、研究会を開催する。
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