研究課題/領域番号 |
19K00523
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研究機関 | 琉球大学 |
研究代表者 |
呉 世宗 琉球大学, 人文社会学部, 准教授 (90588237)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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キーワード | 1965年 / 東アジア / 沖縄文学 / 在日朝鮮人文学 |
研究実績の概要 |
本研究は、「1965年」「東アジア」「離脱と帰属」という観点から、在日朝鮮人文学と沖縄文学を比較検討することを目的とするものである。「1965年」と「東アジア」に注目するのは、その理由の一つとして、日韓条約が締結され国交が正常化することで、東アジアに新たな政治的文化的空間が生まれたからである。また在日朝鮮人だけでなく、沖縄にも着目するのは、この条約の締結によって生まれた日韓米の新たな軍事的体制のもと、沖縄がベトナム戦争のための拠点基地となったからである。 2019年度は、「1965年」の「東アジア」と沖縄と在日朝鮮人社会の関係の解明を進めた。具体的には、在日朝鮮人社会と沖縄が共通して置かれていた「1965年」「東アジア」との関係様相について明らかにしようと試みた。そのために米国の東アジア戦略と韓国そして日本の国際的な連携の様相、そしてそれに対する沖縄の人々と在日朝鮮人たちの抵抗の様相に着目し、それらのせめぎ合いが生み出す東アジアの姿を描き出すことを試みた。それに際し、日韓条約や米国の東アジア戦略に関する文献を収集し検討を行った。また琉球列島米民政府(USCAR)関連の史料、韓国・沖縄・日本の新聞資料なども利用して分析を進めた。また人々の抵抗については、当時の沖縄や韓国の新聞など二次資料を含めた基礎資料の調査収集を行いながら、さらに沖縄に関しては『沖縄県祖国復帰運動史』等を、在日朝鮮人に関しては『在日朝鮮人県警資料集成』等を利用して分析を行った。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
日韓条約や1960年代の米国の東アジア戦略に関わる史資料の収集は、大学図書館にも多く収蔵されており順調に行うことができた。しかしながら想定したよりも多く史資料が収集され、分析する時間がやや不足した。また年度後半は新型コロナウイルスの影響が出始め、大学での対応に追われたことも分析の遅れにつながった。
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今後の研究の推進方策 |
資料の収集は順調に行われているため、分析のための時間確保に努めたい。新型コロナウイルスの影響から講義を遠隔で行うための準備も迫られているが、その準備を計画的にすすめ研究をおこなっていく時間を確保していきたい。
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