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2020 年度 実施状況報告書

大日本帝国と李垠―朝鮮最後の王から見た日韓の比較文化研究

研究課題

研究課題/領域番号 19K00538
研究機関関西学院大学

研究代表者

李 建志  関西学院大学, 社会学部, 教授 (70329978)

研究期間 (年度) 2019-04-01 – 2024-03-31
キーワード朝鮮 / 韓国 / 比較文学 / 比較文化 / 軍事史 / 大日本帝国 / 李氏朝鮮 / 皇室
研究実績の概要

世界的なひろがりを見せた新型コロナウイルス問題のために、思うようにできなかった嫌いはある。しかし反面で、文献資料を幅広く集め、深く研究する素地をつくるという意味では成果はあった。
問題は大韓帝国の基本資料が韓国(韓国精神文化院)にあるため、海外渡航ができないと資料を補充できず、いま行っている研究を研究書として発表することがで難しい点である。研究者は人づての情報を信じてはいけないし、そういう間接的な向き合い方ではとうてい実証研究は不可能である。にもかかわらず、どうしようもない状況にあるといっていい。
そのかわり、朝鮮最後の王であり、大日本帝国陸軍中将だった李垠の大正期、昭和期の事績を追う上で必要な、当時の日本社会、朝鮮社会にあった「時代の空気」を表すための準備は充分に整った。それだけ、文献をあつめそれを読み込んだという自負がある。その証拠に、『朝鮮最後の王李垠』評伝がまだ刊行途中であるにも関わらず、「日本研究特別賞」という大きな学術賞をとることができた。これは自分のやってきたことが間違っていなかったと信じるに足る評価だったと、ありがたく考えている。
また、多くの日記や手描きの文書を発見しており、それらは来たるべき『朝鮮最後の王李垠』の大正編、昭和編で大きく役立つことになる。もともと研究代表者は文学研究からふりだした人間であり、その意味では「日記」類(「大正天皇実録」「昭和天皇実録」「李王職日記」「徳寿宮李太王実記」「昌徳宮李王実記」から、御附き武官の日記にいたるまで)の研究は「日記」文学研究でもある。これはそうとうに深く研究することができるところまで研究が進んだといっていいだろう。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

2019年度は、きわめて良いスピード感を持って研究を進めてきた。研究発表も充分にできたと思っている。しかし、2020年度はその良好な状況をそのまま維持することができなかった。
その理由は、昨今の新型コロナウイルス問題で、東京にも韓国のソウル市にも行くことができなかったため、研究発表をする上で非常に困難をかかえている。
ただし、研究代表者は、研究を休んでいるわけではなく、きわめて良好な環境で李垠研究の裾野を広げているという自負がある。書籍購入とその読み込みなど、さまざまな意味で「気付き」が増えている。
このように、いま私の研究状況は、決して遅れていないばかりか、おおむね順調だといっていいだろう。
ただし、新型コロナウイルス問題のため、社会状況があまりよくはないため、学会発表や論文発表は皆無となってしまった。

今後の研究の推進方策

2021年度は「李王職日記」を中心とした、李氏朝鮮王朝関係の日記や、それに付随するものを読み込んだ結果を、書籍として発表する。例えば、朝鮮王の会食時のメニューや、私的な手紙なども手に入っており、それらを使った「大正期あるいは昭和期の李王家、李垠」を分析するには充分な準備がなされている。

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公開日: 2021-12-27  

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