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2020 年度 実施状況報告書

ゲルマン語強変化動詞並びに関連する品詞の形態組織発達に関わる歴史・比較言語学研究

研究課題

研究課題/領域番号 19K00553
研究機関九州大学

研究代表者

田中 俊也  九州大学, 言語文化研究院, 教授 (80207117)

研究期間 (年度) 2019-04-01 – 2023-03-31
キーワードゲルマン祖語 / 動詞体系 / 強変化動詞 / 形態変化 / ヴェルナーの法則 / 音(韻)変化 / 印欧祖語
研究実績の概要

ゲルマン祖語の強変化動詞の活用体系がどのように生じたのかを中心に、考察を続けている。困難な問題として、強変化第VI類動詞の形態が、何を基にしてどのような経緯を経て生成し、確立したのかを調査・研究し続けている。換言すれば、現在形の母音階梯が(前ゲルマン祖語の音価で)*schwa, *a, あるいは *oで、過去単数形および過去複数形の母音階梯が *a: または *o: で、過去分詞の母音階梯が *schwa, *a, あるいは *o である活用パターンの起源と発達について、今年度も考察を継続した。動詞語幹末が無声摩擦音になるものについて、ヴェルナーの法則が適応されているか否かが、前ゲルマン祖語段階でのアクセントの位置を明らかにするという視座から、データを分析して、そこから何を言えるか考察を続けているところである。この観点はこれまでの研究ではほとんど顧みられなかった点であり、何らかの新たな成果を生み出すことができると予想して、分析作業を継続している。
この問題について、まとまった成果を発表することが今年度はできなかったが、来年度からも継続してこの課題に取り組み、少しでも研究を前に進めるような成果を公刊できるようにしたいと思う。
今年度の成果としては、「音法則について」と題する論考を九州大学言語文化叢書第XXIII巻に公刊し、言語変化における音変化の役割を再考察することができたことが挙げられる。この成果に基づき、来年度以降も、ゲルマン語の動詞体系などの形態組織がいかにして発達したのかという問題に取り組み続けたいと考えている。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

ゲルマン語強変化動詞の発達過程について、強変化I-III類、およびIV-V類の発達過程については、これまでに独自の説明モデルを発表してきた。残る問題として、強変化VI, VII類動詞の発達過程について自分独自の説明モデルを提供したいと願っているが、これらについては様々な困難な点があり、満足のいく説明モデル構築に時間が掛かると思われる。今後も着実に取り組み、少しでも研究を前に進めるような成果を挙げたいと考えている。

今後の研究の推進方策

印欧語比較言語学の枠組みでの研究であり、この分野については、日々新たな成果が発表されている。それらの新しい論考も十分に視野に入れて、「語等値の方法(the method of word equation)」の観点から、説得力のある説明モデルを構築したいと願っている。

次年度使用額が生じた理由

洋書購入に関する費用の予想と実額に差が出て、次年度使用額が生じた。この分は、新年度に洋書を購入する費用に充てたいと考えている。

  • 研究成果

    (1件)

すべて 2020

すべて 雑誌論文 (1件)

  • [雑誌論文] 音法則について2020

    • 著者名/発表者名
      田中俊也
    • 雑誌名

      九州大学大学院言語文化研究院 言語文化叢書

      巻: XXIII ページ: 87-103

URL: 

公開日: 2021-12-27  

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