研究課題/領域番号 |
19K00565
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研究機関 | 防衛大学校(総合教育学群、人文社会科学群、応用科学群、電気情報学群及びシステム工学群) |
研究代表者 |
河内 一博 防衛大学校(総合教育学群、人文社会科学群、応用科学群、電気情報学群及びシステム工学群), 総合教育学群, 教授 (00530891)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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キーワード | 言語学 / 意味論 / 形態統語論 / 言語類型論 |
研究実績の概要 |
令和2年4月以降新型コロナウイルスの影響でフィールドワークに行くことができなかったので、オンラインでエチオピアのシダーマ・ゾーンにいる調査協力者とウガンダのカプチョーワにいる調査協力者からそれぞれシダーマ語とクプサビニィ語のデータを収集・分析した。日本語の実験データはオンラインで採った。 令和2年度の上記期間以外は、出版予定の原稿の修正、今後発表する論文の執筆、学会発表を行うための準備、そのための資料収集等を行った。 共同研究者のSang-Hee Park氏とErika Bellingham氏と共に書いた日本語と韓国語の因果関係の直接性と形態統語的統合の関係に関する論文がJapanese/Korean Linguistics, Vol. 26に出版された。他の6名の海外研究者と因果関係を表す事象に使われる構文の意味論研究に関するチャプターが含まれる因果関係に関する研究を扱った本が出版された。その共編著の書籍一冊、および3冊の本の章を出版した。 本研究に関する学会発表は、日本英語学会第13回国際春季フォーラム、日本アフリカ学会第57回学術大会、Causal constructions in the world's languages (synchrony, diachrony, typology) (於: サンクト・ペテルブルク Russian Academy of Sciences 言語類型論研究所) においてオンラインで行ない、他の研究者たちとの意見交換をした。 本研究課題は、言語におけるアイコニシティの問題を言語使用において分析し通言語的研究を行なっているという点で価値があると言えると思う。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
本研究課題を通して国際的共同研究を積極的に行うことができている。発表の準備と論文の執筆の過程でデータをまとめ、データの分析と理論的問題に関する議論を共同研究者と行うことができた。 また、オンラインで、日本語のデータだけでなく、シダーマ語とクプサビニィ語のデータの収集・分析を行うことができた。 学会や研究会に参加して、成果を発表することができただけでなく、発表時間外の時間を使い、他の研究者たちと意見交換を行なうことができた。 ところが、因果関係を表す事象の表現におけるagentivityに関する論文の原稿を書き終えたが、共著者の指摘で修正すべき点が見つかり、論文の投稿を断念しなければならなくなった。
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今後の研究の推進方策 |
引き続き、ニューヨーク州立大学バッファロー校を始めとする海外の研究者たちと共同研究を行う。電子メールやオンライン会議で議論を行う。 フィールドワークに行くことができない場合は、シダーマ語とクプサビニィ語のデータの収集・分析に関してはオンラインで行う。 因果関係を表す事象の表現におけるagentivityに関する論文を共著者たちと修正、完成し、国際査読ジャーナルに投稿する。
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次年度使用額が生じた理由 |
令和2年4月以降新型コロナウイルスの影響でフィールドワークに行くことができなかったため、未使用額が生じた。令和3年度にフィールドワークに行くことができない場合は、エチオピアとウガンダの調査協力者を日本に招いて集中的に協力をしてもらう方法等も考える。その一方でオンラインでの協力も効果的に行えるようになってきたので、オンラインでのデータ収集・分析の体制を同時に整えていく。
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