研究課題/領域番号 |
19K00587
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研究機関 | 京都大学 |
研究代表者 |
西脇 麻衣子 京都大学, 人間・環境学研究科, 准教授 (60613867)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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キーワード | 古高ドイツ語 / 中高ドイツ語 / 従属節 / 接続法 / 再帰代名詞 |
研究実績の概要 |
本研究の目標の一つは、従属節における接続法の機能・用法の通時的変化を考察することにある。具体的には、従属節の文タイプ、従属接続詞の種類、主節の動詞タイプの違い、主節における否定辞の有無など、当該の従属節の統語環境の分析を通じて、直接法が用いられる場合との違いを明らかにすることが目標である。 本研究の初年度(2019年度)は、特に、主節に否定辞が含まれる場合と従属節で接続法が使用されることの相関関係について検討した。その際、従属節における再帰代名詞の先行詞が主語として主節に明示されている場合、従属節の法の選択に影響が出るのではないかと考えられることに気づいた。そこで、当該年度(2020年度)は、当初の予定を一部変更し、再帰代名詞の照応が最小の文の範囲を超えて生じる現象(logophoricity)に関して二次文献を収集・精読した。さらに、古高ドイツ語・中高ドイツ語期のいくつかのテキストを対象に調査・分析を行い、結果をWorkshop on Reflexivityにて発表した。また、論文としてもまとめ、投稿中である。 当該年度は、さらに、従属節の統語環境(特に従属接続詞の種類と節内の語順)が接続法の使用とどのように関わっているかについて、調査を開始するとともに、関連する二次文献を収集し講読した。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
4: 遅れている
理由
コロナ禍により授業のオンライン化に対応しなければならず、研究の方に時間を割くことがあまりできなかったため。
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今後の研究の推進方策 |
次年度(2021年度)は、関係節における接続法について、古高ドイツ語・中高ドイツ語期のテキストを分析する予定である。直接法が用いられている場合との意味的・機能的な違いや歴史的な変化について検討したいと考えている。
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次年度使用額が生じた理由 |
購入を予定していた図書の当該年度内の納品が困難であったため、この図書は次年度に購入する予定である。
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