インターネットを含むマスメディアの隆盛や交通機関の至便化に伴い、現代の日本では各地の方言が共通語化の波にさらされ、変容し、衰退しつつあるが、このことは、言語および言語に支えられる文化の多様性の衰退につながるものであり、地域方言の記録は急務の課題である。本研究は、言語的特徴を話者自身が自覚しにくい東濃方言を取りあげるものであり、社会的意義としては、方言の記録・保存を行うとともに、市民の言語意識の醸成に寄与する。また、言語研究における学術的意義としては、方言区画の境界に位置する一小方言のデータを提供することにより、方言の動態に関するデータの蓄積および記述・分析に寄与するものである。
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