研究課題/領域番号 |
19K00602
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研究機関 | 名古屋大学 |
研究代表者 |
加藤 高志 名古屋大学, 人文学研究科, 准教授 (20377766)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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キーワード | ラオス / 危機言語 / チベット・ビルマ |
研究実績の概要 |
研究代表者は、2019年8月に、ラオスのポンサーリー県ブンヌア郡において、チベット・ビルマ系の危機言語であるポンセット語とポンセット語の周辺で話されている多数派言語であるアカ・ヌクイ語の調査を行い、ポンサーリー県ブンタイ郡においてムチ(ワニュ)語の調査を行った。2020年3月にも現地調査を行う予定であったが、新型コロナウイルス感染症の流行により、実施することができなかった。加えて、2020年度も、新型コロナウイルス感染症の流行により、予定していた現地調査を行うことがまったくできなかった。よって、2019年8月に収集した録音データを、それよりもずっと前に収集できていた録音データと合わせて、総合的に分析することにした。 ポンセット語については、1999年に収集済みの話者Aの録音データと、2019年8月に収集した話者Bの録音データを合わせて総合的に分析した。その結果、1963年生まれの話者Aのポンセット語と1952年生まれの話者Bのポンセット語は非常に似ていることがわかった。また、現時点においては、夫婦ともにポンセットである場合は少なく、子供世代においてはポンセット語が失われつつあることが示唆された。 ムチ(ワニュ)語については、2010年に収集済みの話者Cの録音データ、2019年8月に収集した話者Dおよび話者Eの録音データを合わせて総合的に分析した。その結果、同じ村の3人の話者の中でも、母音に違いが見られる場合があることがわかった。 アカ・ヌクイ語については、2004年にポンサーリー県ニョートーウー郡の別の村で収集済みの話者Fの録音データと、2019年8月に収集した話者Gの録音データを合わせて総合的に分析した。その結果、両者のアカ・ヌクイ語は非常に似ていることがわかった。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
4: 遅れている
理由
新型コロナウイルス感染症の流行により、2020年度に予定していた現地調査を行うことがまったくできなかったため。
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今後の研究の推進方策 |
ラオス側のカウンターパートと連絡を密に取り、新型コロナウイルス感染症の流行に関する最新の情報を入手するように努める。現地調査が可能になれば、ただちに調査を行う。
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次年度使用額が生じた理由 |
新型コロナウイルス感染症の流行により、2020年度に予定していた現地調査を行うことがまったくできなかったため、次年度使用額が生じた。新型コロナウイルス感染症の流行状況が改善され、現地調査が可能になれば、ただちに調査を行うが、その際、調査の回数、日数を増やすことが可能であれば、そのようにする予定である。
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