| 研究課題/領域番号 |
19K00604
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| 研究機関 | 大阪大学 |
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研究代表者 |
竹村 景子 大阪大学, 言語文化研究科(言語社会専攻、日本語・日本文化専攻), 教授 (20252736)
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| 研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2024-03-31
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| キーワード | スワヒリ語諸変種 / ザンジバル島 / ペンバ島 / 文法記述 / マイクロバリエーション / 語彙 |
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| 研究実績の概要 |
2019年度は、タンザニア連合共和国ザンジバル島およびペンバ島での調査を行った。過年度にも調査を行ったザンジバル島北部県北部A郡に位置するチャアニ村を拠点とし、いくつかの村に赴いて調査協力者の選定を行った。またペンバ島では北部のウェテ市を拠点とし、やはりいくつかの村の出身者に当たって調査協力者の選定を行った。これらのうち、数人には基礎語彙およびいくつかの文法項目についてパイロット調査を開始した。
文法事項に関しては、特に過去時制表現と受動態表現について例文収集を行った。未だ収集数が少ないため、分析は今後の課題であるが、地域差だけではなく年代差もあるのではないかという予測ができるようなデータも見られるため、研究期間内に詳細なデータ収集および分析を行えば、バントゥ諸語のマイクロバリエーション研究にも貢献できるのではないかと思われる。語彙についても、本来は3000語の収集をすべきところ、調査許可申請および取得に相当の時間がかかったため、600語のみの収集にとどまった。年々、ザンジバルにおける調査許可取得にかかる時間と手間が増えているため、現地エージェントに依頼する等の方策を考える必要がある。
なお、2019年度内の本研究に関連する研究成果としては、"Dialectal Variation in Swahili - Based on the Data Collected in Zanzibar" Swahili Forum 26: 45-59 （2020.3）（研究協力者の宮﨑久美子氏と共著）と「スワヒリ語諸変種記述調査報告（3）―トゥンバトゥ－ゴマニ変種基礎語彙600語―」『スワヒリ＆アフリカ研究』31: 35-53（2020.3.25）の2本がある。
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| 現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
ザンジバルでの調査許可申請および取得には時間がかかってしまったが、調査拠点としているザンジバル島のチャアニ村には過去20年以上断続的に通っており、村民との信頼関係は非常に強固である。また、ペンバ島のウェテ市にも多くの知人・友人がおり、調査協力者を探すことに問題はない。
2019年度はこれら2つの拠点で何名かずつの調査協力者が選定でき、今後の調査についても依頼が済んでいることから、大きな問題は生じないと思われる。
2019年度は「トゥンバトゥーゴマニ変種」と「ミチェウェニ変種」について文法と語彙のパイロット調査を開始したが、2020年度以降はさらに調査対象変種を増やすことが調査協力者たちとの間で確認できている。
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| 今後の研究の推進方策 |
できるだけ多くの村において各変種の基礎語彙600語および3000語の収集をはかる。また、文法については、バントゥ諸語文法調査票を用いて基礎文法事項の収集をはかるとともに、バントゥ諸語特有の動詞派生について特に重点的にデータ収集を行いたい。ザンジバル島全体について網羅できるかどうかは現時点では不明であるが、少なくともザンジバル島内で「北部」「中部」「南部」と大雑把に分けられてきた「方言」の実態を明らかにすることと、また、ペンバ島については「ペンバ方言」と一括りにされてきたものの実態を明らかにすることが目標であることから、少なくとも各地域で3変種ずつくらいのデータを収集するように努めたい。
なお、コロナ禍により、2020年度は現地調査が困難である可能性が高いので、現地に行けなかった場合は過年度に収集したデータ分析と調査項目の選定を進める予定である。
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