研究実績の概要 |
研究代表者と研究分担者の計3人は、本研究の4年目の2022年度に次のような研究活動を行った。2020年に起きた新型コロナウイルス感染症の世界的な感染拡大により、2022年度も感染症予防のため韓国全羅南道方言の現地調査を行うことができなかった。しかし2022年度も、新型コロナウイルス感染症が終息しない場合に備えて立てた当初の研究計画は予定通りに進んだ。2022年度も韓国現地調査はできなかったが、研究代表者は研究1年目に集めた自然発話の言語データ及び文献資料を参照しつつ、韓国語と日本語の終助詞と終結語尾の用法について比較検討を行った。またその研究成果を韓国の学会の国際大会で発表するとともに、関連学術誌で発表することができた。研究分担者も各自、関連の研究を行った。以下詳述する。 金善美は情報管理機能と関連する研究として、韓国語と日本語の独話と終助詞について言語機能の三層モデル理論の観点を導入した「韓日終助詞と終結語尾の情報管理機能と話し手・聞き手との相関性,そして三層モデルの視座」と題する論文を出版した。また韓国語と日本語の標準語、韓国語済州方言と全羅南道方言における終助詞の出現様相と情報管理機能について國語文學會(韓国)・韓國言語文學會(韓国)共同主催の国際学術大会で招聘研究発表をし、論文も執筆する成果があった。田窪行則は「終助詞と共有知識管理」と題する研究発表と、「危機言語としての地域のことば」と題する論文執筆の成果があった。千田俊太郎は「言語類型論的に見たエスペラント:その極端で非アルタイ的な膠着性」(原文:韓国語)と題する論文と、「“Kial multas adjektivoj en Esperanto? Komparo kun la korea, la japana, Dom, Tokpisino kaj aliaj lingvoj”」と題する論文執筆の成果があった。
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