本研究は、言語変化の要因にはいかなるものがあるかという点について分類・整理し、大きな枠組みを構築することを目的とした。 その結果、言語変化の要因とは、言語変化前の状況をより都合よくする、より効率化するために人間が変化させるという理解にたつべきだと考え、[A]言語記号を運用するにあたって効率的に運用する、[B]話者自身が言語を使うことによっておこなう自身の位置づけを適正化するという2つを言語変化の要因の大きな枠組と考えた。また、前者の下位分類には、発話労力の効率化・記憶労力の効率化・伝達の効率化・表現効果の適正化を、後者にはアイデンティティの適正化・言語社会の維持を認めた。
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