日本語におけるジェンダー的要素の重要性は言うまでもないが、歴史的研究は遅れていたと言える。特に平安時代言語の研究を行う中で、平安時代文学作品の深い理解や、言語構造の解析のためには、従来考えられている以上に、ジェンダーを含むコノテーションの分析が必要である。深層学習等によって分類された語彙を、文学作品の解釈に用いることで、従来以上の深い読解が可能になる。それによって、さまざまな平安時代語研究に有用なデータを提供できるに留まらず、日本文化の深層にあるものを、実証的にコンピュータによる分析で明らかにすることができる。
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