研究課題/領域番号 |
19K00639
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研究機関 | 大学共同利用機関法人人間文化研究機構国立国語研究所 |
研究代表者 |
朝日 祥之 大学共同利用機関法人人間文化研究機構国立国語研究所, 言語変異研究領域, 准教授 (50392543)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2023-03-31
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キーワード | 北見市常呂町岐阜方言 / 敬語法 / 方言接触 |
研究実績の概要 |
本年度においても,新型コロナウイルス感染症の影響が長期化しているため,現地調査を見送る判断をせざるを得なかった。そのため,本年度においては,これまで入手してきた調査資料(音声資料,文献資料)の整備に取り組んだ。具体的には,1979年に現地で実施された方言調査の録音資料(1052分)分の文字化を業務委託の形で実施し,その文字化資料の確認作業を行った。また文献資料についてもOCRを用いて文字化を行い,その内容の確認作業を行った。本研究を遂行するために必要な文献を購入し,データの分析の方法などについて検討を行った。研究成果については,本年度整備を進めた文字化資料をもとにした研究発表を北海道方言研究会の研究例会で報告(「50年前の北見市常呂町岐阜方言に見られる特徴」第233回例会,2022年1月)するとともに,これまでの成果の一部を研究論文としてまとめ提出した。また,現地調査を実施することを見送ることにした一方で,調査協力者から当該方言に関する情報をSNSを経由して行うことができた。それにより研究発表,論文執筆の上で,必要な情報も入手できた。ただし,本研究課題の中心的な課題である敬語法については,その全体像を捉えるために必要な場面設定に基づく調査を実施することが必須である。そのための準備を進めることができた。その意味でも,新型コロナウイルス感染症の状況が改善され,現地での調査が実施できるようになることを期待したい。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
SNSを用いた情報収集,並びに既存の言語資料より収集できた資料はあるものの,本研究を進めるためには現地調査が必須である。それが実現できなかったために,研究計画がやや遅れていると判断せざるを得ない。
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今後の研究の推進方策 |
新型コロナウイルスの感染状況を踏まえつつ,調査が実現できるようになることを期待したい。SNSを用いた資料収集も可能になりつつあるので,それも併用しながら研究を進めていきたい。
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次年度使用額が生じた理由 |
新型コロナウイルス感染症の影響を受け,現地調査を見送る必要があったために予算を執行することができなかった。次年度においては,新型コロナウイルス感染症の状況を見つつ,可能な範囲で現地調査を行う。また調査内容を吟味し,その一部をSNSを用いる形で調査を実施する。
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