本研究は、日本語における複数の構文を取り上げ、言語コーパスを横断的に分析することで、構文とコミュニケーション行動との関係を解明することを目的とする基礎的研究である。2019年度は動詞句に関わる形式として「助言のモダリティ形式」、2020年度は名詞句に関する形式として「主題提示の助詞・複合助詞」、2021年度は文構造に関わる形式として「文末名詞文」を分析した。日本語学において、構文と発話機能の結び付きに関する研究は豊富な蓄積があるが、それを複数の言語コーパスの中で検証し直すことで、特定のジャンルや場面で実現されたコミュニケーション行動に結び付けて記述することができた。
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