• 研究課題をさがす
  • 研究者をさがす
  • KAKENの使い方
  1. 課題ページに戻る

2023 年度 実績報告書

初期近代英語期のスピーチアクトのポライトネス的視点からの研究:モダリティを中心に

研究課題

研究課題/領域番号 19K00669
研究機関法政大学

研究代表者

椎名 美智  法政大学, 文学部, 教授 (20153405)

研究期間 (年度) 2019-04-01 – 2024-03-31
キーワード歴史語用論 / 初期近代英語期 / コーパス言語学
研究実績の概要

最終年度の最大の業績は『イン/ポライトネスーーからまる善意と悪意』という論文集を共編著したことである。数人の研究者に執筆を依頼し、英語と日本語におけるインポライトネス研究の論文を集めることができた。本書は「インポライトネス」という語句がタイトルについた本邦初の研究論文集であるという意味で、歴史語用論研究上、意義のある研究書になった。
内容的に重要な点は、インポライトネスはポライトネスの反対概念であるものの、実際の言語運用を詳細に分析すると、ポライトネスの規則を逆転させるとインポライトネスの規則になるわけではなく、ポライトネスの規則や期待を外れるとインポライトネスになるということである。ポライトネスを外れる方法は一様ではなく、多様性に富むこともわかった。その場で期待されるポライトネスの規則を守らなければインポライトになるし、相手の期待を上回る外れ方をすればインポライトネスの度合いは高まる。また疑似ポライトネスや疑似インポライトネスといった、語彙だけを分析していては正確な意味合いがわからない現象も観察できた。日本の歴史語用論研究では、インポライトネスの研究はあまり行われていないので、先駆的な研究が公表できたと考えている。
学会活動としては、オーストラリアで開かれた国際英語学会( International Meeting of the Internatioal Society for the Linguistics of English)にて、初期近代英語期の裁判記録におけるモダリティの分析を、共同で発表した。
研究期間全体を通して、初期近代英語期の口語表現に注目した研究を行なってきたが、共同、単独での研究発表、論文執筆、講演など、実りの多い研究活動ができたと考えている。

  • 研究成果

    (3件)

すべて 2024 2023

すべて 雑誌論文 (1件) 学会発表 (1件) (うち国際学会 1件) 図書 (1件)

  • [雑誌論文] 「シン・させていただく」の誕生秘話―文法化と敬意漸減の影響―2024

    • 著者名/発表者名
      椎名美智
    • 雑誌名

      『待遇コミュニケーション研究』

      巻: 21 ページ: 50-65

    • DOI

      10.32252/tcg.21.0_50

  • [学会発表] Trial Record of King Charles I; Space, Time, History and Discourse in an Early Modern Courtroom2023

    • 著者名/発表者名
      Nakayasu M, Shiina
    • 学会等名
      The 7th International Meeting of the International Society for the Linguistics of English (ISLE 7)
    • 国際学会
  • [図書] インポライトネスーーからまる善意と悪意2023

    • 著者名/発表者名
      滝浦真人・椎名美智
    • 総ページ数
      267
    • 出版者
      ひつじ書房
    • ISBN
      4823411595

URL: 

公開日: 2024-12-25  

サービス概要 検索マニュアル よくある質問 お知らせ 利用規程 科研費による研究の帰属

Powered by NII kakenhi