現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
2020年度は、Covid-19の感染拡大の影響で、予定していた助手との研究作業の打合せや、フランスのAix-Marseille Uniersiteで開催予定であったPALA2020での研究発表など、幾つかの課題研究活動の遅滞が避けられない状況となった。しかしそのような状況下ではあったが、次の3点において研究活動の進捗を図ることができた:(1) 2本の研究論文;(2)O’Neillの50作品の談話情報のマークアップ作業、並びに比較対象としてのMaughm作品に談話情報を付加するマークアップ作業;(3)Wilder作品の電子化に着手することができた。 上記の(1)に関しては、能勢の単著論文として、"Comic Technique and Characterization in Eugene O'Neill's Ah, Wilderness!"が『英語表現研究』第37号(2020年6月発行, pp.1-19)に掲載され、また"A Corpus Stylistic Approach toward “Force of Meaning” in Eugene O’Neill’s Mourning Becomes Electra"が『混沌と共存する比較文化研究』(2020年11月, 英光社, pp. 108-120)に掲載された。(2)に関しては、O’Neillの50作品[約107万語]中の40作品の作品に対し談話情報[Social Statusや登場人物間の関係性]のタグ付けを行なったマークアップデータの作成までを完了した。また(3)については、WilderのOur Townその他の作品の電子化に着手し始めた。
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今後の研究の推進方策 |
今後の研究の推進に関しては、O'Neillの残りの10作品[The Sniper, Before Breakfast, Ile, The Moon of Caribees, The Straw, Emperor Jones, The Hairy Ape, Strange Interlude, Dynamo, Ah, Wilderness, Iceman Cometh]の談話情報のマークアップ作業を行いO'Neill作品の精緻化コーパスを完成させた上で、比較のためのMaughamとWilderの作品の電子化コーパスの作成とそれらの精緻化コーパスへと発展させていく。問題点としては、これらの作業は、助手との緊密な打合せが必要であるので、現在のCovid-19の影響がどのていど研究活動を阻害させるかを考えながら、研究活動を推進していく必要がある。また必要な場合は、研究期間の延長をも視野に入れて考えていく必要がある。
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