本研究は、電子コーパスThe Corpus of Contemporary American Englishの話し言葉セクションから収集したデータを基に、英語の話し言葉において、伝統的に従位節とみなされてきたthough節には独立節としての用法も存在し、訂正譲歩、不賛成、新情報の追加という談話機能があることを明らかにした。また、独立節を導くthoughは談話標識として分析できること、および文法化の節接続に関する単方向性の仮説の反例となることを示した。さらに、独立節を導くthoughは、althoughと比べると頻度が少なく、用法の種類も限られることを示した。
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