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2021 年度 実績報告書

日英語における構文の変化と対人機能の発達─使用基盤的構文理論による研究

研究課題

研究課題/領域番号 19K00686
研究機関九州大学

研究代表者

大橋 浩  九州大学, 基幹教育院, 教授 (40169040)

研究期間 (年度) 2019-04-01 – 2022-03-31
キーワード対人的機能 / トピックシフト / 談話標識 / 譲歩文 / 使用基盤 / 構文 / 周辺部 / 文法化
研究実績の概要

最終年度では過去2年間の研究成果として論文(大橋浩(2021)「譲歩構文からの拡張」『構文と主観性』天野みどり・早瀬尚子(編)くろしお出版、pp. 97-118.)を発表した。また、日本語の副詞「だいたい」における対人的機能の発達についての論文を完成した(大橋浩(近刊)「説き起こしを表す副詞「だいたい」の意味拡張 について」『データから眺めた言葉とコミュニケーション』大津隆広(編)ひつじ書房).
本研究のリサーチクエスチョンは、①対人機能を発達させたソースの構文にはどのような意味や統語的な特徴があるか。②ソースの構文の意味や統語的機能は、対人機能の発達をどのような点で動機づけているのか。その動機づけは通言語的に観察されるのか、であった。
①については本研究では譲歩・逆接の意味をもつ表現を対象としたが、これらは、先行談話中の内容をいったん受け入れた上でそれと対立する主張を行うことを合図するという意味機能を持ち、統語的には、いずれも節を導くという共通点を持つ。②は本研究の中心をなす課題であったが、①の特徴を譲歩文の構文的特徴と考えることにより対人機能の発達を自然に捉えられることを論じた。すなわち、Sweetser(1990)による、意味領域は内容、認識、発話行為の3層からなるとする仮説と、それにテキストのレベルを加えたCrevels(2000)を援用し、譲歩文とそこから派生したトピックシフトを合図する対人機能的譲歩文はいずれも第3レベルの発話行為譲歩構文であり、さらに拡張が進んだ、対話者の発話を受けたものや、主節を持たず独立して使われたものは第4のテキストレベルに属する談話標識であると考えることにより、共時的な多義関係も通時的な意味発達の動機づけも自然に捉えることができることを示した。

  • 研究成果

    (4件)

すべて 2021

すべて 雑誌論文 (4件) (うち査読あり 3件)

  • [雑誌論文] 譲歩からトピックシフトへ ― 使用基盤による分析 ―2021

    • 著者名/発表者名
      大橋 浩
    • 雑誌名

      認知言語学を拓く

      巻: - ページ: 261-283

  • [雑誌論文] Having said that構文と談話機能 ―周辺部の観点から―2021

    • 著者名/発表者名
      大橋 浩
    • 雑誌名

      動的語用論の構築へ向けて

      巻: 第2巻 ページ: 25-46

    • 査読あり
  • [雑誌論文] 意味論・語用論と文法化のインターフェイス2021

    • 著者名/発表者名
      大橋 浩
    • 雑誌名

      意味論・語用論と言語学諸分野とのインターフェイス

      巻: - ページ: 1-26

    • 査読あり
  • [雑誌論文] 譲歩構文からの拡張2021

    • 著者名/発表者名
      大橋 浩
    • 雑誌名

      構文と主観性

      巻: - ページ: 97-118

    • 査読あり

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公開日: 2022-12-28  

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