研究課題/領域番号 |
19K00688
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研究機関 | 京都府立大学 |
研究代表者 |
山口 美知代 京都府立大学, 文学部, 教授 (50259420)
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研究分担者 |
小林 めぐみ 成蹊大学, 経済学部, 教授 (50339587)
渡辺 宥泰 法政大学, グローバル教養学部, 教授 (60240529)
出口 菜摘 京都府立大学, 文学部, 教授 (80516138)
後藤 篤 京都府立大学, 文学部, 准教授 (70761980)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2024-03-31
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キーワード | アメリカ英語 / 映画と英語 / ELF / 東アジアの英語 / ヨーロッパの英語 / カリブ海の英語 |
研究実績の概要 |
「アメリカ英語の普及と英語の多様性の認識に20世紀映像メディアが与えた影響」という課題につき、分担者が各自の研究を進めた。とりわけ、英語の多様性の認識について、北欧の英語、東アジアの英語、カリブ海域の英語について、映像メディアとの関連をふまえた研究が進捗した。研究協力者である英国ノーサンブリア大学ロバート・マッケンジー博士とのオンライン研究会を開催した。英語変種への言語態度、ヨーロッパの英語、東アジアの英語、カリブ海の英語についての個別研究成果を発表し今後の研究進化について議論した。 研究成果の公開については、研究代表者は『世界の公用語事典』(丸善出版社)に「英語」の項を執筆し、研究成果の一部を公開した。また旧英領カリブ海域における英語について、共著書の原稿執筆を進めた。2022年開催予定の映画「カリプソ・ローズ」上映会およびシンポジウム「カリブ海の文化と英語」開催の計画、およびその成果の公開方法について準備を進めた。アメリカ映画の英語の変遷について、1957年初演のミュージカル『ウエスト・サイド・ストーリー』の2度目の映画化作品『ウエスト・サイド・ストーリー』(2021、以後WSS21)について、最初の映画化作品『ウエスト・サイド物語』(1961、以後WSS61)と比較する論考を発表した。本論ではWSS21の言語の特徴をWSS61と比較しながら述べ、WSS21ではスペイン語の台詞が多いこと、一方で「英語を話すこと」への圧力やその内面化を示す台詞が多いことを示した。この二作品の比較の結果は、ハリウッド映画における多言語使用への意識の変化や言語観の変化反映していることを述べた。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
新型コロナ感染症の流行がおさまらず、対面でのシンポジウムの開催ができなかった。これについては、令和4年度の開催の準備を進めており、その遅れを挽回する見込みがある。
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今後の研究の推進方策 |
各自進めていた研究成果を公開に向けて総括していく。6月に開催のシンポジウムでは特にカリブ海の文化と英語について取り上げる。研究課題に関連する映画上映会と併せてシンポジウムを開くことにより、研究成果をより広く公開し社会に還元する予定である。さらにこのシンポジウムの内容を、学会誌に掲載予定である。また、公開準備を進めている英語の多様性についての書籍の原稿を完成させる。
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次年度使用額が生じた理由 |
前年度に引き続き新型コロナ感染症の流行により予定していた海外調査や講師招聘、シンポジウム開催ができなかったため、予算執行額が予定を下回った。研究については、オンライン研究会での主催等、別途手段で遂行した。
令和4年度にシンポジウム(関連の映画上映会を併設)を開き、その経費に予算を執行する予定である。
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