研究実績の概要 |
令和4年度は、令和3年度までに転写が完了しなかった Aelfric's Grammarを収録する2つの写本 British Library, Cotton Faustina A.x 写本とBritish Library, Royal 15 B xxii写本の転写を実施した。前者の転写を2022年6月5日に、後者の転写を2022年8月20日に完了した。Royal 15 B xxii写本は、行間注解のように古英語の単語がラテン語の上に記されていることは周知の通りである (Ker 1957: 335: Doane 2007: 48)。本研究の対象外ではあるが、Grammar の12世紀の写本である Cambridge, Trinity College, R.9.17写本では、一部、古英語が行間注解のように配置されていることで知られている (Ker 1957: 134)。Royal 15 B xxii写本とTrinity College, R.9.17写本の古英語の配置に共通性があるか調べるために、Trinity 写本の転写も実施した。Trinity 写本の転写は、Royal写本の転写と同時に行い、2022年8月20日に転写を終了した。また、Butler (1981)の刊行本に基づき、13世紀の写本であるWorcester, Cathedral Library, F174写本の言語の調査を実施した。今年度で、本研究課題で研究対象となるAelfric's Grammar の11世紀の写本すべての転写が完了した。
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