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2021 年度 実施状況報告書

英語のly副詞の記述的研究および副詞辞典編纂のための辞書学的研究

研究課題

研究課題/領域番号 19K00695
研究機関立命館大学

研究代表者

滝沢 直宏  立命館大学, 言語教育情報研究科, 教授 (60252285)

研究期間 (年度) 2019-04-01 – 2023-03-31
キーワードly副詞 / コーパス / MI-score / t-score / 例文作成
研究実績の概要

令和3年度においては、主に3つの視点から研究を行った。
テキストファイルで入手可能な巨大コーパスであるiWeb Corpusを用いて、単純頻度表、2語から6語の連鎖の頻度表などを作成する作業は昨年度までに完了していたが、一部に不適切な処理が含まれていることがわかったので、まず、その修正・精緻化作業を行った。このうち、2gramについてはコロケーションの認定に使われる指標のうちt-scoreとMI-scoreも併せて算出し、t-scoreは2以上で且つMI-scoreは3以上の連鎖に絞り込んだ。本研究では、ly副詞を含む自然な英文の作成も課題であるが、令和3年度後半から、有意義な2gramを英国人の同僚に示し、それを含む自然な英文の作成を依頼し、現在も進行中である。
二つ目は、歴史的な視点である。現代英語のly副詞の記述をしているので、過去200年間の使用実態に焦点を当てることにしている。具体的には1810年から2009年までの200年のアメリカ英語が収録されているCOHAを資料とした。副詞の進捗の調査には、西村祐一氏作成のWLP_dfcを用いている。このプログラムによって、例えば、19世紀のアメリカ英語ではほとんどその使用例が確認できないが、1950年代から急激にその使用が増したly副詞が認定される。逆に右肩下がりになっているly副詞もある。しかし、頻度を急激に増した右肩上がりの語の方が右肩下がりの語よりも遥かに多数、存在することが滝沢 (2016)である程度、判明しているが、令和3年度の研究でそれをより精緻にすることができた。
三つ目は、ジャンルによる相違に焦点を当てる視点である。COCAは8ジャンルに分かれているが、そのうち4つのジャンルを対象にして、ly副詞の振る舞いの相違について研究した。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

3: やや遅れている

理由

ly副詞の自然な使用を例示する自然な英文を多数、作成することは本研究の重要な目的の一つであるが、作成するNative Speakerには研究の意義を十分に理解してもらう必要がある。そのため適切なNative Spakerを見つけ、依頼するのに、想像以上の困難が伴った。そのため「やや遅れて」いる。

今後の研究の推進方策

(1)ly副詞の自然な使用を例示する自然な英文を多数、作成することは本研究の重要な目的の一つであるので、引き続き、信頼の置けるNative Speakerに依頼する。
(2)過去200年において、大きな頻度変化があったly副詞について、その頻度変化の要因を解明する必要がある。
(3)COCAの8ジャンル中の4ジャンルを資料として、ly副詞のジャンルによる違いの研究を継続する。

次年度使用額が生じた理由

(1)例文の作成を依頼するのに時間を要した。令和4年度は、例文作成に注力する。
(2)Covid-19のため、海外出張が不可能になった。可能になったら、海外出張を行う。

  • 研究成果

    (2件)

すべて 2022 2021

すべて 雑誌論文 (2件) (うち査読あり 2件、 オープンアクセス 1件)

  • [雑誌論文] 新たな視点から見たone's way構文2022

    • 著者名/発表者名
      田中智之・茨木正志郎・松元洋介・杉浦克哉・玉田貴裕・近藤亮一(編)(滝沢直宏)
    • 雑誌名

      言語の本質を共時的・通時的に探る―大室剛志教授退職記念論文集(開拓社)

      巻: 1 ページ: 26-38

    • 査読あり
  • [雑誌論文] 修飾語句を伴わない「第1文型」について2021

    • 著者名/発表者名
      滝沢直宏
    • 雑誌名

      立命館言語文化研究

      巻: 33 ページ: 243-254

    • DOI

      10.34382/00015879

    • 査読あり / オープンアクセス

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公開日: 2022-12-28  

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