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2019 年度 実施状況報告書

多読の実践を通じた日本語教師の言語教育観・言語能力観の変容に関する研究

研究課題

研究課題/領域番号 19K00699
研究機関静岡大学

研究代表者

佐々木 良造  静岡大学, 国際連携推進機構, 特任准教授 (50609956)

研究分担者 香月 裕介  神戸学院大学, グローバル・コミュニケーション学部, 講師 (30758785)
鴈野 恵  筑紫女学園大学, 文学部, 准教授 (60713352)
研究期間 (年度) 2019-04-01 – 2022-03-31
キーワード多読 / 言語教育観 / 言語能力観 / 日本語教師の態度の変容 / 多読実施状況(国内) / 多読の実践
研究実績の概要

本課題1年目は日本国内の留学生別科・日本語学校、717校を対象として多読の実施の有無に関する調査を実施し、127校から回答が得られた。127校のうち33校で多読が実践されていた。回答が得られた教育機関の約25%が多読を実施していることがわかった。日本国内の英語多読における実施状況は高瀬(2010)にまとめられているが、日本語多読の実施状況はこれまで詳らかでなかったが、本調査によって実際にどのぐらいの教育機関で多読が実践されているかが明らかとなった。また、多読実施状況調査の結果から、多読に関心を持つ教員・教育機関の代表等、約40名を探し出すことができた。この調査の結果を現在調査報告としてまとめている。
他方、英語多読の論文等で言及されている教師の役割に関する記述を収集した。Day, R. R., & Bamford, J. (2002)が提唱する"10 principals" に教師の役割への言及がある。多読の実践を通じた教師の言語教育観・言語能力観の変容に関する調査研究はUozumi, K., & Takase, A. (2012).、YUYA,A.(2019). 等の先行研究があった。
本課題に関する2019年度の実績は、(1)ベトナムのタンロン大学で開催された言語文化教育研究学会第7回研究集会において「日本語教師の省察を促す3つの試み」と題して多読の実践を通じた日本語教師の省察について発表し、(2)タイのサイアム大学で開催されたタイ日研究ネットワークにおいて「字なし絵本から多読につなげる図書館活動―タイ・バンコクの幼小中高一貫校における取り組み―」を発表した。これらの発表に付随して、ベトナム、タイにおける多読の実践・研究のパートナーとなりうる人脈が形成された。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

申請時の計画通り、日本国内の留学生別科・日本語学校を対象とした多読の実施状況調査を終え、英語多読を含めた教師の言語教育観・言語能力観に関する先行研究の調査を終えているため。

今後の研究の推進方策

現在、新型コロナウイルス感染拡大とその防止策により、日本国内の移動が大幅に制限されている。本研究課題2年目は、多読に関心がある日本語教師や、すでに多読を実践している日本語教師へのインタビューを予定していたが、移動が大幅に制限されている状況でインタビュー調査は困難である。代替案としてビデオ会議システムの利用を検討する。
また、データ収集の方法をインタビュー・質問紙の併用から、質問紙のみに変更しデータ収集を試みる。

次年度使用額が生じた理由

新型コロナウイルス感染拡大に伴い、年度末に予定していた打合せ、研究発表が中止となったため。残額は、次年度の打合せおよび研究発表に際しての旅費に充てる。

  • 研究成果

    (11件)

すべて 2020 2019 その他

すべて 国際共同研究 (1件) 雑誌論文 (6件) (うち国際共著 1件、 査読あり 2件、 オープンアクセス 5件) 学会発表 (3件) (うち国際学会 1件) 備考 (1件)

  • [国際共同研究] Roong Aroon School(タイ)

    • 国名
      タイ
    • 外国機関名
      Roong Aroon School
  • [雑誌論文] 字なし絵本から多読につなげる図書館活動 ―タイ・バンコクの幼小中高一貫校における取り組み―2020

    • 著者名/発表者名
      佐々木良造・Wipawee Srisurapanon・門倉正美・吉川達
    • 雑誌名

      タイ日研究ネットワークThailand研究論集

      巻: 1 ページ: p.90-p.102

    • 査読あり / 国際共著
  • [雑誌論文] 数学カリキュラムから見た 専門教育・専門日本語教育の前提の見直しの必要性 ―マレーシアと日本の後期中等教育数学教科書の比較対照分析を通じて―2020

    • 著者名/発表者名
      佐々木良造・長谷川貴之
    • 雑誌名

      静岡大学国際連携推進機構紀要

      巻: 2 ページ: p.1-p.16

    • DOI

      http://doi.org/10.14945/00027169

    • オープンアクセス
  • [雑誌論文] 数学語彙の定着を図るための教材「数学カルタ」作成経過報告2020

    • 著者名/発表者名
      佐々木良造・長谷川貴之
    • 雑誌名

      日本語教育方法研究会誌

      巻: 26(2) ページ: p.122-p.123

    • DOI

      https://doi.org/10.19022/jlem.26.2_61

    • オープンアクセス
  • [雑誌論文] タイ人教師と日本人教師の協働を支える仕組みの検討ー正統的周辺参加論を手がかりにー2020

    • 著者名/発表者名
      香月裕介
    • 雑誌名

      第8回日本語・日本文化フォーラム論文集

      巻: 8 ページ: p.12-p.19

    • オープンアクセス
  • [雑誌論文] 実践における教師の立ち位置を規定するものー日本語教師の経験の現象学的分析からー2020

    • 著者名/発表者名
      香月裕介
    • 雑誌名

      神戸学院大学グローバル・コミュニケーション学会紀要

      巻: 5 ページ: p.53-p.69

    • 査読あり / オープンアクセス
  • [雑誌論文] 理科系学部留学生受け入れのための送り出し国の数学カリキュラム評価の試み2019

    • 著者名/発表者名
      佐々木良造・長谷川貴之
    • 雑誌名

      日本語教育方法研究会誌

      巻: 26(1) ページ: p.32-p.33

    • DOI

      https://doi.org/10.19022/jlem.26.1_32

    • オープンアクセス
  • [学会発表] マレーシアにおける大学入学前数学予備教育―EJU受験対策と大学入学後の学習に向けて―2020

    • 著者名/発表者名
      長谷川貴之・佐々木良造
    • 学会等名
      数学教育学会
  • [学会発表] 日本語教師の省察を促す3つの試み2019

    • 著者名/発表者名
      鴈野恵・佐々木良造・香月裕介
    • 学会等名
      言語文化教育研究学会第7回研究集会
    • 国際学会
  • [学会発表] 大学理科系学部留学生送り出し国の数学カリキュラムの評価試案2019

    • 著者名/発表者名
      長谷川貴之・佐々木良造
    • 学会等名
      数学教育学会
  • [備考] 日本語多読に関する書籍・文献リスト

    • URL

      https://nihongotadoku.wordpress.com/list/

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公開日: 2021-01-27  

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