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2021 年度 実施状況報告書

日韓中の接触場面における対人関係構築とコミュニケーションスタイルに関する対照研究

研究課題

研究課題/領域番号 19K00707
研究機関名古屋大学

研究代表者

許 明子  名古屋大学, 国際機構, 教授 (10322611)

研究分担者 永井 絢子  国際大学, 言語教育研究センター, 講師(移行) (00808751)
研究期間 (年度) 2019-04-01 – 2024-03-31
キーワード断り / 談話完成テスト / 理由説明 / パーソナル・テリトリー / 視点表現
研究実績の概要

本研究の目的は日本語学習者と日本語母語話者のコミュニケーション・スタイルに関する特徴を明らかにし、日本教育現場への応用をについて検討することである。令和3年度は断りの言語行動に注目し、中国人学習者46名を対象に談話完成テスト(DCT)を実施し、分析を行った。負担の経度が異なる2つの場面を設定し、誘いに対して断りの理由を説明して談話を完成するテストであるが、断りの表現形式や内容に焦点を当てて分析を行った。
分析の結果、2回の会話ともに断りの理由説明が見られた学習者は半分以上で、1回も理由説明が見られなかった学生は1名のみであった。
理由説明の内容についてパーソナル・テリトリーの概念に基づいて分析した結果、パーソナル・テリトリーの内部に分類できる内容は「家族」が1%、「能力」が17%、「経済的な理由」が1%であることが明らかになった。その他、パーソナル・テリトリーの外部の理由として、「学校の行事」が38%、ついで「他の予定がある」が17%、「用事がある」が14%を占めていた。学校の行事に関連する理由説明が多く、先行研究で指摘されている理由の内容を指示する結果となった。一方、「用事がある」のような理由説明は断るための漠然とした理由として捉えられる可能性があることが示唆された。
研究成果は第58回日本語教育方法研究会において「断り場面における中国人日本語学習者の理由説明について」というタイトルで研究発表を行った。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

3: やや遅れている

理由

当初の予定では、韓国・中国日本語学習者と母語話者との対面会話テストの実施を予定していたが、新型コロナウイルス感染症の影響により、対面による会話調査の実施は難しいと判断した。対面会話調査の代替案としてZoomを活用したオンラインによる談話完成テストを実施し、文字と音声の両方のデータ収集を行った。
本来であればコミュニケーション・スタイルに関するデータは対面会話によって相互行為としての会話データの収集が望ましいが、談話完成テストを実施し発話の内容を中心に分析する方法に修正した。

今後の研究の推進方策

対面による会話調査の実施が可能であるかどうかについては今後の新型コロナウイルス感染症の状況を見て判断したい。対面による会話調査が難しい場合は、オンラインによる調査方法に切り替え、相互行為としてのコミュニケーション活動より、文字と音声の組み合わせによる談話の展開に注目し分析していきたいと考えている。

次年度使用額が生じた理由

新型コロナウイルス感染症の影響により研究成果発表のための旅費の支出がなかったため、次年度使用額が生じている。次年度はオンラインによる調査方法に変更し、研究成果の発表も可能な限りオンラインによる学会において行う予定である。

  • 研究成果

    (3件)

すべて 2022 2021

すべて 雑誌論文 (1件) 学会発表 (2件) (うち国際学会 1件)

  • [雑誌論文] 断り場面における中国人日本語学習者の理由説明について ―口頭による談話完成テストを通して―2022

    • 著者名/発表者名
      許明子
    • 雑誌名

      『日本語教育方法研究会』会誌

      巻: Vol.28 No.2 ページ: 120-121

  • [学会発表] 断り場面における中国人日本語学習者の理由説明について ―口頭による談話完成テストを通して―2022

    • 著者名/発表者名
      許明子・李嘉隆・謝カン月
    • 学会等名
      第58回日本語教育方法研究会
  • [学会発表] 日本語母語話者と日本語学習者の視点の捉え方と表現形式ー4コマ漫画とI=JASのストーリーテリングの比較を通して―2021

    • 著者名/発表者名
      許明子・西澤萌希
    • 学会等名
      日本語プロフィシェンシー研究学会10周年記念シンポジウム
    • 国際学会

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公開日: 2022-12-28  

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