研究課題/領域番号 |
19K00708
|
研究機関 | 大阪大学 |
研究代表者 |
義永 美央子 大阪大学, 国際教育交流センター, 教授 (80324838)
|
研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2023-03-31
|
キーワード | 日本語教育 / 自律学習支援 / 養成プログラム / 学習者オートノミー |
研究実績の概要 |
本研究は、大学における日本語自律学習支援者(自律学習を支援するために必要な知識・技能・態度を持った人材)を養成するプログラムの開発およびその検証を目的とする。令和1(2019)年度はプロジェクトの1年目として、以下の取り組みを実施した。 1)自律学習支援に関する理論的検討:学習者オートノミーや自律学習支援に関する文献を収集し、自律学習促進に向けてどのような支援を提供する必要があるかを検討した。この成果は令和2(2020)年度に学術論文2本として公表予定である。 2)オンラインリソースを用いた自律学習支援方法の検討:日本語学習者の自律的な学習を支援することを目的としたオンラインサイトの企画・開発を行い、一部を公開した。また、その成果を学会報告1件、実践報告1本として発表した。 3)日本語自律学習支援者養成プログラムの実施準備:所属大学において、大学院生が研究科の枠を超えて履修できる科目として「第二言語学習方法論」「言語学習アドバイジング入門」の2科目を企画し、令和2(2000)年度より開講する見込みとなった。 上記1)は、学習者オートノミー・教師オートノミー・自律学習支援など本研究に関わる概念についての検討を深めたもので、今後の取り組みの理論的視座を提供している。また2)3)は、プロジェクト2年目以降に実施する日本語学習支援者養成の実践および調査研究の基礎となるものである。自律学習やその支援の重要性はかねてより指摘されているが、従来の日本語教師養成課程では教室での教え方の習得を中心とした実習が行われており、自律学習の支援者の体系的な養成を目指すプログラムはほとんど開発されていない。本研究は、現在は研究代表者の所属大学における教育実践をベースに企画しているが、将来的には他大学等にも応用可能な日本語自律学習支援者養成プログラムのモデルとなることが期待され、その意義は大きい。
|
現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
「研究実績の概要」に示したように、令和1(2019)年度はプロジェクトの1年目であるが、研究全体の理論的枠組みの確定、および、自律学習支援者養成プログラムの実施準備のいずれの点でも一定の成果をあげることができたため。
|
今後の研究の推進方策 |
プロジェクトの2年目以降は、自律学習支援者養成プログラムを実施し、当該プログラムの成果について実証的に検討していく。具体的には、支援場面のインタラクションの分析、およびプログラム参加者に対するアンケート調査・インタビュー調査を行い、当該プログラムが参加者の自律学習支援に関する知識・技能・態度の向上に寄与しているかを検証する予定である。
|
次年度使用額が生じた理由 |
先進事例視察のための海外旅費(香港・イギリス)の支出を予定していたが、香港の政情不安およびヨーロッパにおける新型コロナウイルスの感染拡大により、出張ができなくなったため。新型コロナウイルスの感染収束後、予定していた視察を再度計画する予定である。
|