研究課題/領域番号 |
19K00715
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研究機関 | 獨協大学 |
研究代表者 |
野原 ゆかり 獨協大学, 国際教養学部, 准教授 (30584578)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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キーワード | 技能実習生 / 言語保障 / 日本語学習 / 日本人の意識 / 工場 |
研究実績の概要 |
外国人労働者が増える一方で、彼らに対する保障が整備されているとは言い難い。特に日本社会ではこれまで外国人の言語保障についてほとんど議論されてこなかった。 本研究は、外国人労働者について言語保障という観点から現状の問題と課題を明らかにし、包括的・継続的学習支援の枠組みを検討することを目的としている。外国人労働者のなかでも技能実習生に焦点を当て、彼らの日本語運用に対する職場の日本人の意識が学習機会の保障にどのように影響しているのかを探るものである。 そのために、4つの研究課題 (1) 実習生の日本語学習の実態はどのようなもの、(2) 実習生は職場の日本人とのコミュニケーションで何に困難を感じているか、(3) 日本人は実習生の日本語運用をどのように評価しているか、(4) 日本人は実習生とのコミュニケーションで何に困難を感じているか、を設定し、調査を行う。 2019年度は、予備調査と企業3社を対象に本調査を実施した。対象としたのは、徳島県内に工場をもつ2社、兵庫県内および埼玉県内に工場を持つ1社である。日本人社員に対しては、質問紙と半構造化インタビューを実施した。また、技能実習生については質問紙調査を行った。質問紙は実習生の母語に翻訳したものを使用し、母語で回答してもらった。研究課題(1)および(2)について検討するために、技能実習生の質問紙調査の回答を定性的に分析した。その結果、限られた時間、場所において工夫しながら学習を継続していることが分かった。本調査について学会等での発表は来年度とし、今年度は調査協力企業にフィードバックを行い第二次調査につなげた。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
新型コロナウイルス感染症拡大の影響で、学会開催の中止が相次ぎ、発表を見合わせた。また、第二次調査を2020年度4月に予定していたが、緊急事態宣言下とあって、延期とした。2020年度の調査時期については、現在未定である。現在、2019年度の調査で得た日本人のインタビューデータの分析を進めている。
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今後の研究の推進方策 |
実施時期は未定であるが、徳島に工場を持つ企業を対象に、技能実習生と日本人社員が一緒に参加するワークショップを実施し、そこで得られたデータを分析して、両者の日本語コミュニケーションの実態と相手の日本語運用に対する意識を探る。
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次年度使用額が生じた理由 |
発表を検討していた学会等の開催が中止となったため、それに関わる旅費等で次年度使用額が生じた。発表は2020年度以降に行う。
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