研究課題/領域番号 |
19K00720
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研究機関 | 法政大学 |
研究代表者 |
村田 晶子 法政大学, グローバル教育センター, 教授 (60520905)
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研究分担者 |
LASSEGARD James 法政大学, 経営学部, 教授 (30447841)
神吉 宇一 武蔵野大学, 言語文化研究科, 准教授 (40726551)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2023-03-31
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キーワード | 日本語教育 / 複言語教育 / 多文化共生 / キャリア / 社会参加 / 留学生 |
研究実績の概要 |
外国人留学生受け入れの拡大が進められる中で、多様な留学生が日本に留学できるように、多くの大学において英語学位プログラム、英語による交換留学生プログラムが増設されている。これにより、留学生が日本語レベルにかかわらず、一定の英語力を有していれば専門科目を学ぶことが可能になっている。 しかし、留学生の多くは日常生活、学内での活動、アルバイト、インターンシップ等で、一定以上の日本語力が求められており、とりわけ、就職活動において、英語学位生であっても高いレベルの日本語力が求められることが多いため、就職が難しい状況にあり、大学の英語環境(受け入れ時)と就職時(出口)の言語環境に大きなギャップが見られる。このような課題を解決するための研究データの蓄積とそれを踏まえた教育ガイドラインの発信が強く求められている。 こうした点を踏まえて、本研究では日本の大学において英語環境で学ぶ留学生(英語学位コース、交換留学生プログラムの留学生等)に対する日本語学習、複言語学習の実態、教室外の言語使用環境、社会参加と人的ネットワークの広がりの調査を行い、実証データに基づいた言語文化学習とキャリア支援の提言を行うことを目的とする。 2020年度は引き続き日本語を学んでいる留学生へのインタビューを行い、学生たちの言語学習状況を調査した。また関係プログラムの担当教員に聞き取り調査を行い、受け入れ側の状況と現状の問題点を分析した。そして、これらの分析結果を学会発表、論文、書籍などの形で発信した(論文3本、学会発表5件、書籍3冊の出版)。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
新入生の聞き取り調査がコロナ禍のため予定よりも少し遅れているので、次年度はこの点に力を入れて作業を進めていく。
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今後の研究の推進方策 |
次年度以降も継続して留学生、関係者のインタビュー、言語使用場面の観察等を行い、言語学習状況、社会参加と人的ネットワークの広がりを調査する。加えて、コロナ禍のため、留学生の国内の活動の多くがオンラインで行われていることから、オンラインでの交流も分析の対象とする。また、海外から入国ができない留学生も多く、国内の大学の授業にオンライン参加しているため、海外の学生と国内の人々を結ぶオンラインの交流や協働学習の分析も行っていく。 今年度も調査の中間報告として学会発表を行い、論文執筆を進める。そして最終年度に向けて調査の結果をまとめ、研究成果を踏まえた長期的な言語文化学習支援の指針を学会発表、論文、書籍などの形で広く研究者、教育関係者に発信する準備を行っていく。
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次年度使用額が生じた理由 |
学生のインタビューのデータ収集が少し予定よりも遅れており、文字化データの量が少なかったため文字化を外部に委託せず、研究代表が行った。このため、使用額が予想よりも抑えられた。次年度は研究成果発信に差額を使用する予定である。
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