研究課題/領域番号 |
19K00721
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研究機関 | 国際高等専門学校 |
研究代表者 |
札野 寛子 国際高等専門学校, 一般教科, 教授 (20229090)
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研究分担者 |
松下 達彦 東京大学, 大学院総合文化研究科, 教授 (00255259)
大河原 尚 大東文化大学, 国際交流センター, 特任准教授 (70250024)
徳永 あかね 神田外語大学, 外国語学部, 准教授 (10360091)
鈴木 秀明 目白大学, 外国語学部, 准教授 (10583958)
ボイクマン 総子 (椙本総子) 東京大学, 大学院総合文化研究科, 教授 (50370995)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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キーワード | 日本語教育プログラム / 開発プロセス作業 / ヒアリング / 言語教育プログラム開発 / 日本語教師の能力 |
研究実績の概要 |
昨年からのコロナ感染拡大のために、当初は現地に出向いてプログラムの様子を実際に見学しながらインタビューする調査方法を想定していたが、現地への移動が困難になった。また、研究メンバー各自が本来担当する授業活動のオンライン対応などに追われて、調査が滞りがちになってしまった。そのため、2年間で10~15件を予定していたヒアリングの最大数15には達していないが、それでも機会を見つけてオンラインを活用した形で、これまでに12件の調査が実施できた。ヒアリング対象の組織形態内訳は、地域での日本語教室など5件、ビジネス日本語関係2件、日本語学校2件、大学プログラム1件、海外関係2件である。コロナ禍ということもありヒアリング件数は少ないが、実施できたものは地域での活動や日本語学校など、様々な形態の日本語教育活動を対象とできている。 2020年7月からは、ほぼ毎月1回Zoom上で研究メンバーが集まり、ミーティングを実施している。ミーティングでは、各自が行った調査についての報告を行い、得られたインタビューデータについて、そこに何かプログラムを立ち上げる際の共通あるいは類似のプロセスが見つけられるかなどを分析している。 あいにく現段階では、これらの調査データから予想していたような共通の立ち上げプロセスはあぶりだせていないが、これまでなかなか表に出てこなかったプログラム立ち上げに関わる社会背景や人のつながり具合や資金調達事情、また活動を進める上での意思決定にかかわる要件などが描くことができている。さらに、その過程で日本語教師や関係者がプログラムを立ち上げるために必要とされる能力やスキルなども見え始めてきた。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
コロナ感染拡大の影響により、本務でのオンライン授業対応などが緊急の課題となり、予定していたヒアリング数を実施できておらず、現地へ出向いて実際のプログラム活動を見学することもできていない。
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今後の研究の推進方策 |
これまでに得られた12件のヒアリングデータをもとに、これらの中から、全体的に共通、あるいは地域での活動、日本語学校といった活動形態ごとに共通の立ち上げプロセスがあるのかどうかを継続してあぶりだしてみたい。また、ヒアリングを実施して初めて見えてきたことのひとつに、日本語教育プログラムを立ち上げるために、日本語教師あるいは関係者が果たすべき役割、あるいはそれを果たすために必要となる能力や技能とは何かということがある。今後は、立ち上げプロセスだけでなく、そのようなことも含めて、得られたデータとその分析からの知見をどのように日本語教育活動に活かせるかを検討して、日本語教育学会大会などでのパネル発表などに結び付けたい。
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次年度使用額が生じた理由 |
コロナ感染拡大のために、現地に赴いて実施する予定だったヒアリングのための旅費や関係者への謝金などの使用額が大幅に変更となった。
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