研究課題/領域番号 |
19K00728
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研究機関 | 山形大学 |
研究代表者 |
内海 由美子 山形大学, 学士課程基盤教育機構, 教授 (20292708)
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研究分担者 |
澤 恩嬉 東北文教大学短期大学部, その他部局等, 准教授 (50389699)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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キーワード | 外国出身保護者 / 幼稚園・保育園 / やりとり / 連絡帳 / エンパワーメント / 日本語支援 |
研究実績の概要 |
本研究は、日本語がほとんどできない外国出身保護者と、幼稚園・保育園とのやりとり(口頭コミュニケーション・書き言葉コミュニケ-ション)について、その実態と問題点を明らかにすること、緊急性・重要性の観点からやりとりの重み付けを行うことを目的としている。さらに、その結果を受けて、外国出身保護者に必要な支援のあり方、特に、保護者自身による発信に対する支援のあり方を探ろうとするものである。 2019年度は、全国の状況を把握するため、日本語教育だけでなく、保育・幼児教育における研究論文や調査報告書の収集を行った。幼稚園・保育園の現場からは外国出身保護者とのやりとりに関するノウハウを求める声が高まり、保護者支援と、支援者支援の必要性が大きくなっていることがわかった。調査については、まず、外国出身保護者を対象としたWebアンケートの内容を決定し翻訳を進めている。なるべく多様な背景の外国出身保護者に協力依頼ができるよう、研究チームのネットワークを通して調査対象者を探しているところである。 園に対するアンケート調査の内容については、研究チームの内海(代表者)・澤(分担者)・薄井(連携)で調査方法、調査内容について検討を開始した。まずは園を訪問すること、園の先生方に直接研究について説明し聞き取り調査への協力を依頼をすること、同時に園生活の実態を観察することが大切ではないかということになった。しかしながら新型コロナウイルスの感染拡大の影響により、現時点ではいずれも現実的ではないことから、変更を余儀なくされているところである。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
日本語に課題を抱える外国出身保護者と、その子どもを受け入れている園、担当している保育者に対し、調査協力の依頼を開始する予定であったが、なかなか選定・接触ができず、時間がかかっている。また、年度末にかけて幼稚園・保育園を訪問し、保育者に調査協力の依頼を行うとともに、保育の現場を実際に観察したいと考えていたが、新型コロナウイルスの感染拡大の状況から、保留の状態となっている。テレビ会議システムによる聞き取り調査も選択肢に加えて、研究方法を変更した方がいいのではないかと言うことも考え始めているところである。
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今後の研究の推進方策 |
2019年度に予定していたWebアンケートを完成させる。それをなるべく多様な背景の外国出身保護者に依頼するための方法について検討を重ね依頼を進める。同時に、外国出身保護者を受け入れている園に対する調査について、状況に合わせた妥当性を検討する。 調査結果が得られ次第、集計と分析を進める予定だが、それと平行して、外国出身保護者と園とのやりとりについてリスト化していく。
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次年度使用額が生じた理由 |
今年度は研究チーム(内海・澤・薄井)で調査方法・調査内容の検討を進めた。その打ち合わせは山形大学で行ったため、3人とも同市に勤務先があることから、旅費が発生しなかった。また、調査対象の選定に時間がかかっていたため調査のための旅費、謝金も発生しなかった。これらを次年度に繰り越し、調査の方法と内容を、全国の状況に照らして再検討したうえで遂行する予定である。
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