研究課題/領域番号 |
19K00732
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研究機関 | 東京外国語大学 |
研究代表者 |
菅長 理恵 東京外国語大学, 大学院国際日本学研究院, 教授 (50302899)
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研究分担者 |
伊集院 郁子 東京外国語大学, 大学院国際日本学研究院, 准教授 (20436661)
中井 陽子 東京外国語大学, 大学院国際日本学研究院, 准教授 (60398930)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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キーワード | キャリア形成支援 / 留学生 / 人間関係構築 / 教材開発 / 体験談 / グローバル人材 |
研究実績の概要 |
2019年度の実施計画に則り教材を作成し、試用した。一つは、東京外国語大学国費学部留学生予備教育プログラムの上級コースにおいて、来日直後の4月―5月に試用した。授業最終回に大学入学後のキャリアプランについての発表を行ったところ、良い人間関係を構築する、日本語力を上げる、勉学に励む、将来について模索する等が挙げられ、教材の目的である「キャリア形成に関する意識の涵養・人間関係構築力の養成」が達成されたことが確認できた。また、中国東北師範大学赴日本国予備学校基礎日本語プログラムにおいては、日本留学後博士課程に進学する学生用に研究者としての体験談および人間関係構築のための会話教材、音声教材を追加作成・試用した。学生が来日後のキャリア形成および人間関係構築のあり方を考える契機として有効だったことが確認できた。 これまでのインタビュー調査の対象は国費学部留学生プログラム修了生だったが、それ以外のカテゴリーの外国人留学生である上記赴日本国予備学校基礎日本語プログラムの修了生にインタビュー調査を実施した。既に中国国内で職を得てから日本の大学院に留学して学位を取得するケースでは、日本人の指導教員の仕事に対するまじめな態度や時間を厳守することの大切さ、依頼の際の配慮の仕方など、学生としてだけではなく社会人としての視点で日本社会を捉え、自分自身のキャリアにもつなげていることが分かった。学部進学留学生と比べると、指導教員と信頼関係を築くための努力や学位取得までの計画立案・実行力の高さ、自己管理能力の高さが特徴的であった。留学が人生のどの段階に位置付けられるかによって、留学の意義や得られる経験が異なってくることは当然のことであるが、教材改訂においては、このような多様な背景の体験談もコラム等で取り上げていきたい。 これまでの研究成果・教育成果について、論文1件、口頭発表4件、講演1件の形で発表した。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
2019年度の実施計画に則り、試用版教材を作成し、東京外国語大学国費学部留学生予備教育プログラムおよび中国東北師範大学赴日本国予備学校基礎日本語プログラムにおいて試用した。その際の留学生の学びの状況について調査・分析を行い、教育効果を検証した。 国費学部留学生以外の外国人留学生(中国東北師範大学赴日本国予備学校基礎日本語プログラム修了生)を対象としたインタビュー調査を実施した。 これまでの研究成果・教育成果について、論文1件、口頭発表4件、講演1件の形で発表した。
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今後の研究の推進方策 |
引き続き外国人留学生を対象としたインタビュー調査と分析を行い、教材の充実を図る。さらに、改訂した試用版教材による実践教育と分析を行う。当初、2020年度は学会等での発表・意見交換を予定していたが、コロナウィルス感染拡大に伴い、各種学会・研究会の中止が相次いでいるため、別の形での意見収集の方策を模索中である。
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次年度使用額が生じた理由 |
国際シンポジウム参加のため3名分の海外渡航費を計上していましたが、3名中2名について、シンポジウムと同時開催の記念行事に校務として出席を命じられ、公費で渡航したため、その分の旅費が執行できませんでした。また、コロナ対策により、年度末の国内出張予定もキャンセルになったほか、インタビュー調査実施も見合せが生じたため、謝金執行も滞りました。 2020年度も学会参加のための旅費等の執行は難しいと思われます。学生を雇用しての謝金執行などの方法を考えたいと思います。
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