研究課題/領域番号 |
19K00745
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研究機関 | 早稲田大学 |
研究代表者 |
福村 真紀子 早稲田大学, 日本語教育研究センター, 助教 (50835866)
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研究分担者 |
三代 純平 武蔵野美術大学, 造形学部, 准教授 (80449347)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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キーワード | 官学民協働プロジェクト / 多文化共生社会 / 地域日本語教育 / 教育実践の可視化 |
研究実績の概要 |
本研究の第一の目的である「官学民協働プロジェクトは、官学民各々およびイベント参加者にとってどのような意義があるのかを明らかにし、今後の課題を見出す」に即し、令和元年6月30日、国際交流イベントを企画・開催した。本イベント開催までに、武蔵野美術大学の日本語クラス(学)の学生、親子サークル「多文化ひろば あいあい」(民)のメンバー、日野市子ども家庭支援センターの職員(官)がすり合わせを行い、「あいあい×ムサビプロジェクト」を推し進めた。また、本研究の第二の目的である「プロジェクトの映像公開の波及効果を明らかにする」に即し、イベント開催の様子を映像に記録し、教育実践の可視化を目指した。そして、本プロジェクトの意義を探るために、日本語クラスの学生によるプロジェクトについての省察を記録した。また、令和2年3月6日、(官)及び(民)に属する人々に対し、聞き取り調査を行った。 令和元年9月28日に「第23回「地域と日本語教育」研究会」において、「地域社会へのコミットを促す日本語教育」というタイトルで本研究の成果を発表した。さらには、同年11月24日に、Canadian Anthropology Society and American Anthropological Association ANNUAL MEETINGにおいて、”Changing Narratives of Immigrant Woman in Japan and Social Transformation: Effects of Community Civic Engagement Project”というタイトルで、パネル発表を行った。 以上の実践は、教室と地域社会の連続性を生み出し、多様な人々が関われる開かれた地域日本語教育を構築したと言え、その成果の発表は、多文化共生社会の実現へ寄与できたと考えられる。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
新型コロナウィルス感染防止策により、令和2年度に行う予定だった官学民協働プロジェクトが行えなくなった。地域での国際交流イベント開催はもちろんのこと、開催までの官学民プロジェクトの推進も、複数の人たちが集い、打ち合わせなどを行う必要があり、クラスター発生のリスクが高いからである。また、日本語教育国際研究大会(香港マカオ)で研究発表を行う予定だったが、ウィルス感染拡大への懸念から大会自体が中止となり、発表の機会を失った。
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今後の研究の推進方策 |
令和元年度に行った、官学民協働プロジェクトを対象に、分析、考察を進めて論文の執筆を行い、学術雑誌に投稿する。令和2年7月に開催する予定だった国際交流イベントを、同年11月、または令和3年度に延期して開催する予定とし、企画スケジュールを立て直す。
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次年度使用額が生じた理由 |
本研究の核となる官学民連携プロジェクトによって令和元年度に開催した国際交流イベントにおいて、当初の予算を下回る費用で材料費や施設使用料が賄えたこと、代表者と共同研究者が事務的な手続きを行ったことにより、人件費、謝金が抑えられたこと、代表者と共同研究者が共に発表を予定してていた海外での学会発表に共同研究者が業務の関係で参加できなかったことが、次年度使用額が生じた理由である。令和2年度の使用計画としては、新型コロナウィルスの感染拡大状況に応じて変化する事は避けられないが、可能であれば学会発表の費用にする。学会発表が不可の場合は論文執筆のための、調査費用、データの文字お越し費用に充当させる。
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