研究課題/領域番号 |
19K00746
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研究機関 | 早稲田大学 |
研究代表者 |
宮崎 里司 早稲田大学, 国際学術院(日本語教育研究科), 教授 (90298208)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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キーワード | 外国人介護従事者 / 介護日本語 / 日本語教育 / オンライン交流 |
研究実績の概要 |
19年度は、主に、基礎研究として、外国人の介護従事者の研修を担当する日本人スタッフ向けに以下のようなカリキュラムをデザインし、いくつかの介護養成校でワークショップを行った。
外国人介護就労者の受け入れと移民政策事情や外国人介護就労者の在留資格(EPA・介護・留学生・技能実習生・特定技能・定住/永住など)の概要を盛り込んだ、「日本での外国人介護就労者の受け入れ事情」、介護福祉士国家試験を日本語教育の観点から分析する。また、技能実習制度について、1号から2号へ移行する際の技能評価試験について解説し、問題についての検討、および、「やさしい日本語」を使ったコミュニケーション指導、介護の現場での「やさしい日本語」の作り方と話し方、介護の場面別の指導例、専門用語のわかりやすい言い換え、介護記録の読み方、ならびに申し送りの聞き方を中心とした、「介護日本語」、JLPT(日本語能力試験)とは異なる、介護場面での日本語能力評価(ワセダバンドスケール:WBS)の目的およびWBSを用いた評価判定実践を目的とする、「介護現場での介護日本語力の評価方法」、そして、日本の生活習慣や日本事情を指導する、「生活習慣および社会適応」
次に、アクティブシニア層を中心とした日本人 と、日本語を学びたい海外の学習者が、オンラインでつながり日本語で会話できる日本語でのコミュニケーション・アプリの開発に参加し、実証実験を行い分析を開始した。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
技能実習制度や特定技能において、介護をはじめ、外食、宿泊などの人的サービスの業種が増加している。そうした領域で、十全に役割参参加する上で、日本語能力は重要であるが、介護養成校でのワークショップや、アプリ開発を通して、当該研究の意義が再確認された。次年度は、収集したデータを基に、カリキュラムやアプリの精度を、さらに向上させるべく、研究を継続させていきたい。
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今後の研究の推進方策 |
【現在までの進捗状況】で述べたように、介護養成校でのワークショップを継続し、かつ アクティブシニアの社会的な孤立を防ぎ、認知症予防にも繋がる、日本語を使った、異文化交流アプリを開発し、検証を続けていきたい。さらに、申請者は、全国老人保健施設協会(全老健)の人材対策委員会人材対策部の委員に嘱任されたこともあり、全国の老健施設で働く外国人介護人材の就労状況や、課題解決に向けた状況把握のためのアンケート調査を開始した。これを基に、どのような課題があるのかを分析し、日本語教育の観点から解決に向けた提言やアプリ開発を進めていきたい。
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次年度使用額が生じた理由 |
次年度については、関係者とのアプリの共同開発やその検証に掛かる経費が見込まれているので、使用予定が発生する予定である。
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