研究課題/領域番号 |
19K00760
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研究機関 | 広島大学 |
研究代表者 |
岩坂 泰子 広島大学, 教育学研究科, 准教授 (80636449)
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研究分担者 |
吉田 達弘 兵庫教育大学, 学校教育研究科, 教授 (10240293)
竹内 晋平 奈良教育大学, 美術教育講座, 准教授 (10552804)
藤井 康子 大分大学, 教育学部, 准教授 (10608376)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2023-03-31
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キーワード | 初等外国語活動 / 図画工作 / 教科連携 |
研究実績の概要 |
初年度となる2019年度の計画としては、各分野(外国語教育, 美術教育)における先行研究から得られる言語と芸術の関係に関する理論的枠組みとして、本研究におけるパイロット実践の分析の概念と心的道具に関する先行研究の概観 、実践協力者(および学校機関)における児童の実態, 学習環境等の聞き取りデータ収集を予定していた。昨年度の主な実績は以下の[「研究発表」欄の通りである。以下、本年度明らかとなった研究実績を概観する。 2019 年 3 月 の発表では、本研究の枠組みの骨格となるヴィゴツキー の心的発達と情動の関係、特に情動の役割についての理論を概観した。この研究は、続く2019年8月の発表において、初等教育における教科教育者「間」の相互行為によるObchinie(教授・学習)の可能性についての提案に繋がった。この発表では ワークショップ形式による参加者との交流によってヴィゴツキー の心的発達のプロセスについて多くの示唆を得ることができた。 2019年9月と2020年3月の研究発表では、同年2月に6年生、3年生を対象として行った図画工作科と外国語活動の実践を共同研究者(分担者)とともに評価、分析を行い、教科融合実践の成果と課題を整理した。 2019年度の実践において授業者はいずれも公立小学校の担任教諭である。今後の本研究の実践を発展的に行うための条件やテーマおよび教材開発などに関する情報を研究協力校に勤務する教諭から聞き取りを行った。年度末にはコロナ感染による移動の制限や学校閉鎖の継続が予測されたため、2020年度の代替案等の可能性を探った。 後半は、新たな理論的枠組みとして非言語であるアートをビジュアル言語として捉えるマリチリテラシーズという概念構築に向けて、文献レビューを開始した。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
初年度となる2019年度の計画としては、各分野(外国語教育, 美術教育)における先行研究から得られる言語と芸術の関係に関する理論的枠組みとして、本研究におけるパイロット実践の分析の概念と心的道具に関する先行研究の概観 、実践協力者(および学校機関)における児童の実態, 学習環境等の聞き取りデータ収集を予定していた。 口頭発表は、心的道具に関する理論研究(8月山梨大学は、3月の言語文化研究教育学会での発表を発展させたもの)、小学校での図工科と外国語活動の連携実践に関する報告(2019年9月、2020年3月)、竹内・塩田論文は、美術教育と言語に関連する。今後の実践協力者(学校機関)として、口頭発表にて報告した実践校が引き続き候補として考えられる。しかし、この他の地域、あるいは対象児を日本国籍のみならず外国ルーツ児童・幼児なども視野に入れた可能性を広げたい。
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今後の研究の推進方策 |
1年目に分担者とこれまでの研究を持ち寄り、依拠する理論の洗い出しを行った。今後の実践はその理論に基づいて計画をし、いくつかの実践先と実践内容のブレーンストームを行なっている。コロナ感染の状況が落ち着き次第、実践受け入れ校に申し入れを行いたい。合わせて、2019年に分担者と合同発表を行った実践(2019年9月、2020年3月口頭発表分)を分担者と共著論文を執筆し、投稿したい。最終年度には本研究のまとめとして研究発表会等を企画したいと考えているので、発表会のプログラムについてのアイデアを念頭に置いた勉強会を催したい。
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次年度使用額が生じた理由 |
2019年度の後半(特に3月)に予定されていた学会がコロナ感染防止といて中止となった関係で、この学会発表のための打ち合わせおよび旅費等が未使用となった。この分については、今後、コロナ感染が収束した後の成果発表等で調整を行うこととする。
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