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2021 年度 実施状況報告書

学術研究論文におけるヘッジの使用の比較分析とヘッジの習得に関する考察

研究課題

研究課題/領域番号 19K00761
研究機関山口大学

研究代表者

藤村 香予  山口大学, 経済学部, 准教授 (80736554)

研究期間 (年度) 2019-04-01 – 2023-03-31
キーワードPragmatics / Hedges / Metadiscourse / Academic Writing / Applied Linguistics
研究実績の概要

本研究は, 英語のアカデミックライティングで重要とされている「ヘッジ (垣根表現, 緩衝表現,配慮表現)」の使用を英語母語話者と日本語母語話者の学術論文において比較分析することで, 日本語母語話者の英語のヘッジの習得と使用について語用論の観点から考察するものである。
2021年は, 英語の学術論文におけるヘッジの使用がどのようにアカデミックライティングの授業で取り上げられているのかを確認するために,日本の大学で使用されている中上級英語学習者を対象としたアカデミックライティングの教科書を調査した。分析に使用した10冊の教科書においては,ヘッジの使用について紹介しているものは半分以下であった。また,和らげるだけでなく筆者を守るヘッジの機能を十分に説明しているものは一冊だけだった。ヘッジについての説明と練習問題も統一しておらず教科書の筆者に委ねられているようであった。これらの結果から,ヘッジの理解と使用について教員が共通の認識持ち,教科書に書かれていないヘッジの使用方法と詳細を補足する必要があることが明らかになった。
本研究の成果の一部は, 2021年8月に大学英語教育学会(JACET)においてthe invited presentationとして発表した。また,同年11月の全国語学教育学会(JALT)では教科書の具体的なヘッジの内容と練習問題の比較分析結果を紹介した。これらは『The JACET International Convention Proceedings: The JACET 60th Commemorative International Convention』と『JACET International Convention Selected Papers Vol.8』に掲載された。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

本研究は英語のアカデミックライティングにおける「ヘッジ(垣根表現, 緩衝表現,配慮表現)」の使用を英語母語話者と日本語母語話者の学術論文のデータを使って分析している。2019年は学術論文におけるヘッジの使用を英語母語話者と日本語母語話者の理系論文と文系論文の間で比較分析した。研究で便用した英語研究論文のデータでは, 筆者の主張や研究結果の提示に使われているヘッジの数と種類は分野によって多少異なっていた。2020年は学術論文のヘッジの使用を日本人研究者の日本語論文と英語論文の間で比較分析した。結果においては,理系の研究者と文系の研究者ではヘッジの使用が異なっており,文系の研究者は日本語論文に比べ英語論文におけるヘッジの使用が増えていた。他にヘッジの使用を英語会話の授業で取り入れるための練習問題を書籍に掲載した。
2021年は, 英語の学術論文におけるヘッジの使用がどのように授業で取り上げられているのかを確認するために,日本の大学で使用されている中上級英語学習者を対象としたアカデミックライティングの教科書を調査した。分析に使用した教科書においては.ヘッジの機能を十分に説明しているものは少なく,練習問題も異なっていた。これらの結果から,教員がヘッジの説明と使用について補足する必要があることが明らかになった。
これまでの本研究の成果は,毎年学会で発表され,『大学英語教育学会中国・四国支部研究紀要』『The JACET 60th Commemorative International Convention Proceedings』『JACET International Convention Selected Papers』『Pragmatics Undercover: The Search for Natural Talk in EFL Textbooks』に掲載されている。

今後の研究の推進方策

本研究では,英語母語話者による英語の論文の他に日本語母語話者による英語の論文と日本語の論文の3つのグループにおいてヘッジの使用を分析し, 英語母語話者と日本語母語話者によるヘッジの便用の違いを明らかにするとともに, 英語と日本語のことばの概念と使い方の違い, 言語間でのブラクマティック・トランスファー(語用論的転移)について考察をする。
今後は, 英語母語話者による英語の論文の他に日本語母語話者による英語の論文と日本語の論文の3つのグループにおいて,これまでの分析の結果をまとめ, グループ間でヘッジの使用の類似点と相違点について考察していく。その際, 英語論文執筆時のヘッジの使用について,語用論の観点から,より効果的な習得のために日本人英語学習者が認識しておくべき項目を提言していく。また,英語ライティングにおいて読者を含めるリーダーオリエンティッドとして使用されるヘッジについて詳しく考察していく。

次年度使用額が生じた理由

書籍や資料、物品等の見積金額と実際に支払った金額との間に差があり端数が生じた。次年度使用額については, 2022年度分と合わせて本研究で必要な消耗品である書籍や資料購入に使用する予定である。

  • 研究成果

    (3件)

すべて 2022 2021

すべて 雑誌論文 (1件) (うち査読あり 1件、 オープンアクセス 1件) 学会発表 (2件)

  • [雑誌論文] A Study on the Instructions on the Use of Hedging in English Academic Writing Textbooks2022

    • 著者名/発表者名
      Kayo Fujimura-Wilson
    • 雑誌名

      JACET Selected Papers

      巻: 8 ページ: 85-112

    • 査読あり / オープンアクセス
  • [学会発表] A Textbook Analysis of Instruction on Hedging Use in Academic Writing2021

    • 著者名/発表者名
      Kayo Fujimura-Wilson
    • 学会等名
      The JACET 60th Commemorative International Convention
  • [学会発表] An Analysis of Hedging Taught in Academic Writing Textbooks2021

    • 著者名/発表者名
      Kayo Fujimura-Wilson
    • 学会等名
      JALT2021: Reflections and New Perspectives

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公開日: 2022-12-28  

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